世界の音楽情報誌「ラティーナ」

[2020.08]フアン・フェルミン・フェラリス|アルゼンチン)【特集:世界の音楽家は新型コロナ後の“NEXT WORLD”をどう描くか?】

[2020.08]フアン・フェルミン・フェラリス|アルゼンチン)【特集:世界の音楽家は新型コロナ後の“NEXT WORLD”をどう描くか?】

フアン・フェルミン・フェラリス(Juan Fermín Ferraris)●プロフィール アルゼンチン、ラ・プラタ市生まれのピアニスト、コンポーザー、歌手、音楽講師。クリバスでの活動を中心に、近年はプロデューサーとしても活躍中。現在までに『La Hora Diminuta(2014)』『Las Cosas(2017)』『La Ofrenda(2020)』をクリバスでリリース、ソロ作としては『35mm(2019)』がある。現在2作目のソロ作を準備中。

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[2019.09]マリアーノ・フェラーリ

サポートはクリバスの面々。

クリバスの寡黙なベーシストが放つ知的な「歌」のアルバム。

[2019.09]マリアーノ・フェラーリ サポートはクリバスの面々。 クリバスの寡黙なベーシストが放つ知的な「歌」のアルバム。

文●宇戸裕紀 text by HIRONORI UTO photo by Florencia Alonso  饒舌なメンバーが多いクリバスの中でひたすら寡黙ながらその言葉の一つ一つに知性を感じさせるマリアーノ・フェラーリ。クリバスのベーシストとして知られるその彼がリーダー作を発表し、その腕の片鱗を確かに見せてくれた。 ▲ ── クリバスのベーシストとして知られているので、サウンドの方向性に驚かれる方も多いと思います。作曲の際どういったものに配慮しましたか。 マリアー

[2019.11]静寂のための音楽 フアン・フェルミン・フェラリス JUAN FERMIN FERRARIS

[2019.11]静寂のための音楽 フアン・フェルミン・フェラリス JUAN FERMIN FERRARIS

フアン・フェルミン・フェラリス (JUAN FERMIN FERRARIS)● アルゼンチンのラ・プラタのバンド、クリバスのピアノ/ヴォーカル/作曲担当。クリバスとして、2020年2月初来日。 Brad Mehldau『Ode』(2012年)

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[2018.08]連載 太平洋の向こう岸からの手紙 #14 『ルイス・カロ』

[2018.08]連載 太平洋の向こう岸からの手紙 #14 『ルイス・カロ』

文●フアン・フェルミン・フェラリス  音楽家、文筆家、俳優、曲芸師、詩人、商人、これらすべてがルイス・カロを定義できるものです。ですがより当てはまるのが労動者という言葉です。そして全ての労働者の様に未来の方へ目を向け、夢想家へ変わり、日常の観察者、労働者の詩人になりました。その人柄はピクサーが大きなテーマとして描くことが出来、ダリのような美しい口髭、コミカルで寛容な見た目があります。たとえ全てのプロフィールがボヘミアンの様でも、ルイスは紙から飛び出す様な作品を創り出す人に思

[2018.09]連載 太平洋の向こう岸からの手紙 #15 『メキシコ・ツアー』

[2018.09]連載 太平洋の向こう岸からの手紙 #15 『メキシコ・ツアー』

文●フアン・フェルミン・フェラリス  友人であるハビエル・ナダル・テスタの誘いによってメキシコをツアーし、メキシコシティから戻ったばかりです。デュオとして2年が過ぎようとしていますがうまくいっています。そして新しいプロジェクトの下で我々の最初のシングルを10月に発表するアイデアがありました。この曲に加え作曲したものは、フォーク、ポップ、ラップというマーケットに近づくための何か新しいものをという意図がありました。このプロジェクトは“El día de la suerte(運命

[2018.10]連載 太平洋の向こう岸からの手紙 #16 『ロリ』

[2018.10]連載 太平洋の向こう岸からの手紙 #16 『ロリ』

文●フアン・フェルミン・フェラリス  これは前回の記事「メキシコ・ツアー」に含めようと思っていたものです。私の滞在中にツアーを行った彼女に唯一会えるのは空港でした。彼女はロリ・モリーナ。リサンドロ・アリスティムーニョとともにアルゼンチンのインディペンデントな音楽家を最も代表するとても活動的なシンガーソングライターです。ロリとメキシコで会えるのは贅沢なことで、次はアルゼンチンに戻って来るのを待たなくてはいけません。ロリは1年以上メキシコに滞在したままです。友人のアルゼンチン人

[2018.11]連載 太平洋の向こう岸からの手紙 #17 『モギ』

[2018.11]連載 太平洋の向こう岸からの手紙 #17 『モギ』

文●フアン・フェルミン・フェラリス  ずっと昔に唯一のものに出会いました。何度も同じ部分を繰り返しました。 Si la mar fuera de leche / y los barquitos de canela / yo me mancharía entero / por salvar a tu bandera. (もし海がミルクで出来ていたら/そして、もし小舟がシナモンで出来ていたら/私は私自身を汚してしまうだろう/君の旗を救うために)  その後この断片が私に残って

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[2018.01]連載 太平洋の向こう岸からの手紙 #7 『ラス・コサス』

[2018.01]連載 太平洋の向こう岸からの手紙 #7 『ラス・コサス』

文●フアン・フェルミン・フェラリス  おそらく、『ラス・コサス(物事たち)』の詩の特徴はタイトルにあるように、隠喩的な事象として物事を映しているところにあります。それは「透明な水」と「風」という我々がアルバムのオープニングとクロージングに用意した曲で多く見ることができます。この詩的なコンセプトを結合し、具体的な要素を根底に取り入れること、それはまた経験と感覚に基づいた描写によります。その場合には、水が走る、風が運ぶ、が共通のポイントです。しかしここで強調したいことは水の流れ

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[2018.02]連載 太平洋の向こう岸からの手紙  #8 『雨』

[2018.02]連載 太平洋の向こう岸からの手紙 #8 『雨』

文●フアン・フェルミン・フェラリス  「雨」はアルバム『ラス・コサス』の4曲目で、そこで扱っているのは個人的な言葉です。前号では、アルバムの詩がどのようにつくられたかお伝えしました。要素や感覚に纏う深みを簡潔な詩にする。「雨」がレパートリーに加わったのは書いた中でも新しいほうです。たとえ雨を記憶と結びつけることが一般的な比喩でも、それはアルバムの詩的な提言を統合するためのものでした。  この歌を作った時のことを覚えています。とても短い時間でしたから。ある夜、家へ帰ろうと歩

[2018.12]連載 太平洋の向こう岸からの手紙 #18 『コトリンゴ』

[2018.12]連載 太平洋の向こう岸からの手紙 #18 『コトリンゴ』

文●フアン・フェルミン・フェラリス  みなさん既にコトリンゴのアルゼンチン滞在の重要性をお分かりのはずです。私の意見では、坂本龍一が我々の国において日本の音楽への扉を開きました。彼女が来る前から、幾人かの音楽家がコトリンゴの音楽をよく知っていました。そしてその中にはルイス・アルベルト・スピネッタもいました。モノ・フォンタナやクラウディオ・カルドーネはスピネッタのキーボーディストだったということで我々の国では重要な音楽家です。それは私が両者を知った理由でもあります。ルイスとの