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#沖縄音楽

くちずさめる音楽を遺したい ⎯⎯ 新ユニット「ジュス(笹子重治+ゲレン大嶋+宮良牧子)」の活動をスタートした笹子重治とゲレン大嶋にきく

インタビュー・文●佐藤英輔  ギタリストの笹子重治と三線奏者のゲレン大嶋の出会いは、30年前の沖縄に遡る。飲み友達になった二人だったが、コロナ禍を引き金にソングライターのユニットを結成。そして、ゲレン大嶋と一緒のグループにいた石垣出身のシンガーである宮良牧子がそこに加わり、ジュスは結成された。早速仕上げられたデビュー作『サガリバナ~島をくちずさむ Vol.1』には沖縄に対する思慕を介しての得難いメロディと歌唱と演奏が付帯し、聴く者をもう一つの地へと誘う。そんな確かな訴求力を

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[2022.6]【中原仁の「勝手にライナーノーツ㉓」】 Victor Kinjo 『Terráqueos』

文:中原 仁  歴史的に、沖縄からブラジルへの移民はとても多く、沖縄県人会の会員数は各県人会の中でも最大規模。宮沢和史さんも先月の『沖縄のことを聞かせてください』著者インタビューの中で、次のように話していた。 「で、最終的にここ何年か、サンパウロでの移民110周年の式典や、サンパウロの「沖縄まつり」でゲストで歌ったり、というのが今、僕にとっていちばん濃密なブラジルとの交流です。コンサートやレコーディングをしてきましたけれど、やっぱり日系人の人たちの手助け、助言がすごく大事

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[2022.5]【沖縄・奄美の島々を彩る歌と踊り22】 歌の変遷 古謡から節歌、新民謡へ−《安里屋ユンタ》を例に− 

文:久万田晋(沖縄県立芸術大学・教授)  沖縄の歌として全国的にもっともよく知られているのは《安里屋ユンタ》であろう。しかしこれは昔から地域で伝えられてきた民謡ではなく、沖縄県南端の八重山諸島に伝わる古謡を元に昭和初期に創作された新民謡なのである。「新民謡」とは、大正期から昭和初期に創作された民謡調の歌謡のことで、当時勃興し始めた流行歌の一大潮流ともなった。新民謡《安里屋ユンタ》は古謡《安里屋ユンタ》をもとに昭和9 (1934)年に創作され、日本コロムビアからレコードが発売

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[2022.3]【沖縄・奄美の島々を彩る歌と踊り20】 沖縄に伝わる弥勒の歌 −《赤田首里殿内》と《弥勒節》を例に−

文:久万田晋(沖縄県立芸術大学・教授)  400年余続いた琉球国の王都であった首里には《赤田首里殿内》という歌が伝わっている。  この琉歌調(8886)の歌詞の後には「シーヤープー シーヤープー イーユヌミー イーユヌミー ミーミンメー ミーミンメー ヒージントー ヒージントー」という不思議なハヤシ詞が続いている。この部分を児童たちが体の動作を伴って歌うことから《赤田首里殿内》は童歌ともされている。「赤田首里殿内」とは、沖縄の信仰体系の頂点である聞得大君に次ぐ3人の高級神

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[2022.2]【沖縄・奄美の島々を彩る歌と踊り19】 琉球と奄美、歴史と歌舞のあいだ

文:久万田晋(沖縄県立芸術大学・教授)  奄美大島の八月踊り(連載第7回)の中に、「あじそえ」という曲がある。  この曲のハヤシ詞は「ヤイキュラキュラ ヤイキュラ ヤイキュキュラ シャンクルメ シャンクルメ」という親しみやすいもので、大島各地に広がっている曲である。ただし歌詞の音数律は5555型であり、琉歌形式8886型や近世小唄調7775型の歌詞が圧倒的に多い八月踊りの中では異例の曲となっている。  沖縄本島の臼太鼓研究に大きな業績を上げた故小林公江氏の研究によると、

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[2021.12]「沖縄からの風 コンサート2021」 ライヴレポート

文●東 千都 写真●ほりたよしか 写真提供●株式会社よしもとミュージック  朝晩冷えてくるようになった11/24、LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で「沖縄からの風コンサート2021」が開催された。沖縄と深く関係する宮沢和史、夏川りみ、大城クラウディアの3人によるプロジェクト。沖縄民謡や、沖縄のポップス、そして彼らの持ち歌によるコンサートだ。  10/23に沖縄からツアーが始まり、今日の渋谷が7公演目である。コロナ禍で沖縄に行きづらい中、沖縄からの風を各地に届

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[2021.11]「沖縄からの風」インタビュー 宮沢和史・夏川りみ・大城クラウディア〜ライヴツアーとアルバムについて〜

インタビュー・文●東 千都(ラティーナ編集部)  沖縄との関係性が深い、宮沢和史、夏川りみ、大城クラウディアが、三人でのコンサートツアー「沖縄からの風コンサート2021」を10/23からスタートした。2019年に一度このメンバーで開催し、今年の春にも開催予定だったが、コロナの影響で開催を断念。この秋からようやくツアーをスタートできることになった。併せて、コンサートツアーのコンセプトをCD化したアルバムも、12/8に発売予定である。  沖縄でのツアー初日を終えた三人に、このツ

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[2021.08]【連載 アルゼンチンの沖縄移民史⑦】もうひとつの戦争体験

文●月野楓子  オリンピックが終わった。言いたいことは色々あるけれど、ひとまず置いておくとして。  沖縄では、空手の喜友名諒選手が沖縄に初めてのオリンピック金メダルをもたらしたことに沸いた。喜友名選手の行きつけという食堂のおばぁが嬉しさで踊っている様子がテレビで流れ、見ているこちらまで嬉しい気持ちになった。  喜友名選手の母校は沖縄国際大学だ。大学のwebサイトにも早速お祝いのメッセージが掲載された。そこで同時に目に入るのは、8月13日「普天間基地の閉鎖を求め、平和の尊さ

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[2021.06]【連載 アルゼンチンの沖縄移民史⑥】「世替わり」の中の移民と文化

文●月野楓子  去る6月23日は「慰霊の日」だった。76年前の今日、沖縄に配備された日本軍の司令官が自決し、組織的な戦闘は一応終結したとされる(以降も離島での戦闘や日本軍による住民殺害、飢餓等によって多くの人が亡くなった)。戦争による惨禍が再び起こることのないよう「恒久の平和を希求するとともに戦没者の霊を慰める」ため、「慰霊の日」が制定された。県内の学校や役所は休みとなり、様々な場所で祈りが捧げられる。  地上での戦いが展開された沖縄戦では20万人以上の人々が命を落とした。

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[2021.05]【島々百景 第60回】 大正区 大阪府

文と写真●宮沢和史  この『島々百景』は本紙が紙媒体であった頃から続けていて、39話まで来たところで一旦単行本にまとめて発売した。連載開始当初から宮沢が旅をしてきた島々について書き連ねてきたわけだが、単行本になる最後の方では島に限らず、海無し県の山梨県や奈良県についても書いた。「そもそも地球上の陸地は全て“島”じゃないか!」「“島”とは必ずしもアイランドを指す言葉ではない。他所とは一線を隔てた自分たちのテリトリーである“シマ”を指す言葉でもある」という言い訳めいた言い分で武

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[2021.05]【沖縄・奄美の島々を彩る歌と踊り10】 沖縄のハーリー行事 −爬竜船競漕と龍蛇神への願い−

文:久万田晋(くまだ・すすむ 沖縄県立芸術大学・教授)  沖縄では、旧暦5月4日に各地でハーリー行事(爬竜船競漕)が行われる。この日の朝、沖縄ではハーリー行事の始まりを知らせる鐘が鳴ると梅雨が開けると言われている。これは元々中国中南部に由来する行事であるが、それ以外にタイ、ラオス、カンボジア、ベトナム、ボルネオ、香港、台湾と東アジア・東南アジアの各地で行われている。  爬竜船競漕の起源については、古代中国春秋戦国時代、楚の政治家屈原(くつげん)にまつわる由来譚がある。屈原

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[2021.04]【沖縄・奄美の島々を彩る歌と踊り9】 歌がつなぐ奄美と八重山−騒ぎ歌《六調》の系譜−

文:久万田晋(くまだ・すすむ 沖縄県立芸術大学・教授)  八重山には《六調節》(さまわ)という歌が伝わっている。これは、奄美諸島で盛んに歌い踊られる《六調》が伝わったものといわれている。奄美諸島北部の島々では、タネオロシ(餅貰い)などの祭や八月踊り、また様々な宴席の最後に必ずといっていいほど《六調》が踊られる。歌と三線、太鼓の伴奏に合わせて参加者が自由に乱舞するのである。これは沖縄のカチャーシーとよく似ている。奄美《六調》の三線の弾き方は、ギターのストローク奏法のように三線

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[2020.11]【島々百景 第54回】山原(ヤンバル) 沖縄県

文と写真●宮沢和史  2019年10月31日に首里城正殿、北殿、南殿が焼け落ちてから1年が経過した。5度目の再建に向けて集まった寄付金は49億円近くにものぼると聞き、前回の復元から30年近く経って島内はもちろん、全国、いや、世界から愛されるお城であったのだなと改めて実感しているところである。目に見える形としての琉球の尊厳である首里城が焼失した直後の県民の失望感は相当なものであった。彼らの胸中を察するたびにこちらの胸が苦しくなった。“島唄”という歌を作り、沖縄と深く関わるよう

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[2019.11]Traveling to the MIYAZA-WORLD〜宮沢和史の音楽愛を立体化する4日間〜

文●中原 仁 text by JIN NAKAHARA  ザ・ブーム解散後の2016年、健康上の理由もあり表舞台での歌唱活動の無期限休業を発表した宮沢和史が、昨年秋から本格的に再始動。デビュー30周年の今年、新作『留まらざること 川の如く』を発表した。  10月下旬に開催の「宮沢和史・デビュー30周年記念コンサート~あれから~」に続き、11月には「Traveling to the MIYAZA-WORLD~ようこそ宮沢の世界へ」と題するコンサートを行なう。自身の音楽家人生

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