世界の音楽情報誌「ラティーナ」

[2021.06]「ラ米乱反射」電子版 第9回 キューバ「革命体制」に変化求める国内世論|新指導部に試練の経済建設

[2021.06]「ラ米乱反射」電子版 第9回 キューバ「革命体制」に変化求める国内世論|新指導部に試練の経済建設

「ラ米乱反射」電子版 第9回 キューバ 「革命体制」に変化求める国内世論 新指導部に試練の経済建設 ※こちらの記事は、6/9からは、有料定期購読会員の方が読める記事になります。定期購読はこちらから。 文●伊高浩昭(ジャーナリスト)  カリブ海の社会主義国キューバ(略号「玖」)が、東西冷戦終結後2度目の重大な危機に直面している。国民の多くが複合的な要因により「革命体制」に絶望しており、共産党1党支配体制は弥縫策以外に打つ手がない。国民、とりわけ不満派の塊である若い世代の反

5
[2021.04]「ラ米乱反射」電子版 第8回 ペルー大統領決選投票は「異端」同士の争い|エクアドールでは右翼財界政権が復活|ボリビア政権党が地方選で退潮|ルーラ元ブラジル大統領は被選挙権回復

[2021.04]「ラ米乱反射」電子版 第8回 ペルー大統領決選投票は「異端」同士の争い|エクアドールでは右翼財界政権が復活|ボリビア政権党が地方選で退潮|ルーラ元ブラジル大統領は被選挙権回復

「ラ米乱反射」電子版 第8回 ペルー大統領決選投票は「異端」同士の争い エクアドールでは右翼財界政権が復活 ボリビア政権党が地方選で退潮 ルーラ元ブラジル大統領は被選挙権回復 文●伊高浩昭(ジャーナリスト)  2021年4月11日は南米3カ国の「選挙の日」だった。チリの新憲法起草会議代議員選挙も当初この日に予定されていたが、コロナ疫病COVID19の蔓延で外出規制発動を余儀なくされたため、投票は5月16日に延期された。  一方、ブラジル最高裁は4月15日、ルーラ元大統領

3
[2021.02]「ラ米乱反射」電子版 第7回 ラ米情勢とバイデン米政権

[2021.02]「ラ米乱反射」電子版 第7回 ラ米情勢とバイデン米政権

「ラ米乱反射」電子版 第7回 ラ米情勢とバイデン米政権 ボリビア経済モデルに注目 文●伊高浩昭(ジャーナリスト) ▼地域概観展望  ラ米の21世紀第3・10年紀(2021~30)を俯瞰的に予測すれば、保守化・右傾化がますます進むだろう。中国の台頭で米中関係は尖鋭化し、米国は中国のラ米進出に一層神経を遣い、対中関係の緊密なラ米諸国には厳しい態度で臨むことになるだろう。また欧米といざこざの絶えないロシアはラ米政策でも中国と連繋し、ラ米進出をさらに活発化させるだろう。  従

1
[2021.01]【「ラ米乱反射」電子版 第6回】アルマンド・マンサネロ追悼特集  『アドーロ』に疼いたメキシコの青春 〜40年ぶり再会のマンサネロが語る〜

[2021.01]【「ラ米乱反射」電子版 第6回】アルマンド・マンサネロ追悼特集 『アドーロ』に疼いたメキシコの青春 〜40年ぶり再会のマンサネロが語る〜

文●伊高浩昭(ジャーナリスト)  『アドーロ』(きみを熱愛する)で世界的に知られたメキシコのカンタアウトール(シンガー・ソングライター)、アルマンド・マンサネロが2020年12月28日、コロナ疫病COVID19によりメキシコ市内の病院で死去した。85歳だった。  12月初めには出身地ユカタン州都メリダの生誕地に「マンサネロ生家博物館」を開設、その開館式に出席していた。だが疫病に見舞われ、17日から入院、帰らぬ人となった。メキシコ人、とりわけ年配者はマンサネロの死を悲しんでい

9
[2020.12]【「ラ米乱反射」電子版 第5回】ラ米の2020年重要ニュース

[2020.12]【「ラ米乱反射」電子版 第5回】ラ米の2020年重要ニュース

文●伊高浩昭(ジャーナリスト) ▼コロナ疫病COVID19猛威振るう  ラ米最大のニュースは世界の他地域同様に、現在進行中のコロナ疫病「COVID19」の爆発的流行である。2020年12月半ばの時点で、世界最悪感染状況上位15カ国に、3位ブラジル、9位アルゼンチン、10位コロンビア、12位メキシコ、15位ペルーと、5カ国が名を連ねた。「暴君」型で反知性主義のジャイール・ボウソナロ大統領施政下のブラジルは、大陸国家の巨体を持て余してアマゾニアの森林を破壊したり、コロナ禍への

3
[2020.11]【「ラ米乱反射」電子版 第4回】バイデン次期米政権とラテンアメリカ

[2020.11]【「ラ米乱反射」電子版 第4回】バイデン次期米政権とラテンアメリカ

文●伊高浩昭(ジャーナリスト)  2020年11月3日実施の米大統領選挙は7日、ジョセフ(ジョー)・バイデン民主党候補の当選が事実上確定した。共和党の現職ドナルド・トランプ候補は再選を阻まれた。ラ米諸国は全体としてバイデン当選を歓迎している。  トランプのラ米への関心は薄かった。大統領として訪問したのは、ブエノスアイレスでのG20首脳会議時に亜国(アルゼンチン)を訪れただけだ。歴代米大統領のなかで米州首脳会議不参加を決め込んだのはトランプだけだ。  外交政策は、マイク・ポン

5
[2020.10]【「ラ米乱反射」電子版 第3回】ボリビアで先住民中心政権が復活 チリでは民主憲法制定が決まる

[2020.10]【「ラ米乱反射」電子版 第3回】ボリビアで先住民中心政権が復活 チリでは民主憲法制定が決まる

文●伊高浩昭(ジャーナリスト)  2020年10月、同年のラ米で最も重要な2つの政治的出来事が成就した。ボリビア大統領選挙と、来年21年の新憲法制定を決めたチリ国民投票である。 ▼ボリビア大統領選挙  ボリビア大統領選挙は10月18日実施され、出馬した5人のうち最有力候補ルイス・アルセ元経済相(57)が得票率55・1%(338万票)で圧勝した。アルセは11月8日就任するが、それにより19年11月のクーデターでエボ・モラレス大統領(61)が追放されてから途絶えていた先住民

8
[2020.09]【「ラ米乱反射」電子版 第2回】太平洋とはどんな海か ─ マゼランの海峡通過から500年 ─

[2020.09]【「ラ米乱反射」電子版 第2回】太平洋とはどんな海か ─ マゼランの海峡通過から500年 ─

文●伊高浩昭(ジャーナリスト)  ポルトガル(葡)人航海者フェルディナンド・マガリャンイスがスペイン船団を率いて南米大陸南端の海峡を抜け太平洋に出たのは1520年11月28日。ちょうど500年前のことだ。「マゼラン海峡」と命名された水路は、パナマ運河が1914年に開通するまで400年近く重要な航路だった。  マゼランの航海によって大西洋と太平洋は結ばれ、大西・インド・太平3洋は葡人航海士ヴァスコ・ダ・ガマのインド洋航路開発によって、1497年以後に繋がった。  伊人航海

1
[2020.08]【「ラ米乱反射」電子版 第1回】ボルトンが暴露したベネズエラ工作 ─トランプはグアイドーを軽視

[2020.08]【「ラ米乱反射」電子版 第1回】ボルトンが暴露したベネズエラ工作 ─トランプはグアイドーを軽視

文●伊高浩昭(ジャーナリスト)  ドナルド・トランプ米大統領の安全保障担当補佐官(2018年4月〜19年9月)だったジョン・ボルトン氏がさる6月に刊行した『それが起きた部屋:ホワイトハウス回顧録』には、「自由ベネズエラ」という一章がある。同章は逸早くスペイン語に翻訳され、ベネズエラをはじめラ米(ラテンアメリカ)諸国で報じられた。私(伊高)はこれを7月初めに読んだ。  中心的内容は、ベネズエラ国会のフアン・グアイドー議長が2019年1月、首都カラカスの街頭で「大統領代行」就

6
[2019.12]「世界のプリマバレリーナ」
キューバの至宝アリシア・アロンソ逝く

[2019.12]「世界のプリマバレリーナ」 キューバの至宝アリシア・アロンソ逝く

文● 伊高浩昭(ジャーナリスト) text by HIROAKI IDAKA 「キューバ芸術の至宝」、「ラ米史上最高にして世界史上有数のプリマバレリーナ」の聞こえが高かったキューバ国立バレエ団代表アリシア・アロンソが2019年10月17日、老衰により98歳で生涯を閉じた。1959年以後のキューバ革命体制を支持し、その最高指導者だった故フィデル・カストロ司令官とは互いに認め合う仲だった。私はハバナで1度会い、日本初公演の同バレエ団を率いて来日した91年1月、2度目に会っ