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#西村秀人

[2011.03] 特集:ウルグアイ音楽 ─ Música Popular Uruguaya (MPU)の広がり
文●西村秀人 写真●谷本雅世 texto por HIDETO NISHIMURA / fotos por MASAYO TANIMOTO 文中にあるCD30選は、以下のリンクよりご覧いただけます。(編集部) ◆エドゥアルド・マテオ以降の流れ ビートルズとボサノヴァの波をヒントにしたウルグアイ音楽の新たな流れはエドゥアルド・マテオのオリジナリティあふれる音楽によって、より大きな可能性を開かれることになる。その流れにもう一つ影響を与えるのが1970年代のラテンアメリカ全体を

[2011.03]「もう歌うのはやめない」 〜ディアン・デノア インタビュー〜 マテオとの出会いから肉親との別れまで、歌から離れ、歌に戻るその理由
文●西村秀人、谷本雅世 2009年3月、滞在先のホテルにさっそうとあらわれたディアン・デノア(正しい読み方はダイアンもしくはディアン・デノアだそうだ)。まだ日本でも滅多にお目にかかれなかった iPhone をあやつるその姿にただ驚嘆していると、そこに来たのはあの“トーテム” の元メンバーであり、ここ数年ディアンの伴奏をしているベーシスト、ダニエル・ロビート・ラガルデ。早速マテオのこと、最新作『キエン・テ・ビエラ』のことなどいろいろ訊いてみた。 ── 子供の頃、どんな音

[2020.09]若手気鋭のタンゴピアニスト、パブロ・バジェ インタビュー Pablo Valle Interview
90年代末に入ってエル・アランケ楽団が若手タンゴ楽団の筆頭として華々しくデビューして以来、アルゼンチンで数多くの個性あふれる若手タンゴ楽団の存在が目立って来た。その潮流は「若手オルケスタにみるタンゴの勃興」として西村秀人(PaPiTa MuSiCa)氏に別記事で詳しく紹介して頂いたのでそちらを参考にして頂くとして、その中心的存在ともいえるラ・フアン・ダリエンソや自身の六重奏でピアニストを務めるパブロ・バジェに話を聞いて頂いた。(以上編集部) 文●西村秀人 (PaPiTa

[2017.04]「ラ・クンパルシータ」 100周年に寄せて -Ⅱ- 名曲を作った男 ヘラルド・マトス・ロドリゲスの悲喜こもごも
文●西村秀人 1917年「ラ・クンパルシータ」を作った学生ヘラルド・エルナン・マトス・ロドリゲスは、楽譜出版社に安く買いたたかれ、そこで得たわずかなお金も競馬で失い、レコードの印税を受け取ることもなく、失意にくれていた。一説によれば、ヘラルドは自らの運をもう一度試そうとコロラド党の勝利を祝ったマーチ「1月14日」、競馬馬に捧げたタンゴ「ラスパイル」、サッカーチームに捧げたタンゴ「ナシオナル・フォーエヴァー」の3曲を1917年に作曲したが、出版にも至らなかったという(なお1