世界の音楽情報誌「ラティーナ」

[2021.01]映画監督アゴスティと作曲家モリコーネ

[2021.01]映画監督アゴスティと作曲家モリコーネ

[無料記事] 文●二宮大輔  Text by Daisuke Ninomiya  映画監督シルヴァーノ・アゴスティと作曲家エンニオ・モリコーネの友情は、想像以上に深いものだった。1960年代にデビューし、後にインディペンデントで映画制作を始める鬼才アゴスティが、これまでにつくった長編映画は8本。うち4本のサウンドトラックをエンニオ・モリコーネが担当している。驚くべきはモリコーネへの支払いだ。アゴスティ自身が以下のような逸話を語っている。 アゴスティ「今回の仕事だけど、

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[2021.01]Best Albums 2020 ❷

[2021.01]Best Albums 2020 ❷

●Shhhhh

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(無料記事)[2020.10]エドアルド・レオ特集上映−映画で歌え、イタリアの心

(無料記事)[2020.10]エドアルド・レオ特集上映−映画で歌え、イタリアの心

文●二宮大輔(京都ドーナッツクラブ) Text by Daisuke Ninomiya  留学当初はイタリアの音楽が好きになれなかった。私がローマに住みはじめた2000年代後半には、まだぎりぎり大型CDショップが生き残っていて、特に右も左もわからなかった留学したての頃は、新しい音楽を知る場所として、大通りのCDショップを活用していた。店内に流れるBGMや試聴機で聞くイタリアの音楽は、どれもべちゃりと耳にへばりつくような質感だった。少なくとも大手CDショップに出回っているメ

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[2017.11]【第9回 カンツォーネばかりがイタリアじゃない】カンツォーネ・ブームと日本語詞

[2017.11]【第9回 カンツォーネばかりがイタリアじゃない】カンツォーネ・ブームと日本語詞

文● 二宮大輔 ジリオラ・チンクエッティ  カンツォーネばかりがイタリアじゃないと啖呵を切って始めたこのコラムだが、これにはカンツォーネに代表されるようなステレオタイプなイタリアのイメージを壊して、別角度からイタリアの深層に迫ろうという志の表れであって、カンツォーネを批判するつもりはまったくない。だが、そもそもイタリアと言えばカンツォーネという固定したイメージが出来上がるほどに、往年のイタリアの歌謡曲が日本で人気を博したのは、どういうわけだろう。60年代のカンツォーネ・ブ

[2018.01]2017年ベストアルバム(二宮大輔)

[2018.01]2017年ベストアルバム(二宮大輔)

●二宮大輔 通訳・翻訳家 / イタリア語ガイド、文芸翻訳、映画批評など。ラティーナ紙上で「カンツォーネばかりがイタリアじゃない」短期連載中。

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[2018.04]【第11回
カンツォーネばかりがイタリアじゃない】スフィアンからザローネまで現代イタリア映画音楽事情

[2018.04]【第11回 カンツォーネばかりがイタリアじゃない】スフィアンからザローネまで現代イタリア映画音楽事情

文● 二宮大輔 『君の名前で僕を呼んで』 ※4月27日 TOHOシネマズ シャンテ 他全国ロードショー ©Frenesy, La Cinefacture  今年4月に日本でも公開予定のアメリカ映画『君の名前で僕を呼んで』(Call me by your name)の音楽を、神秘的な楽曲が人気のSSWスフィアン・スティーヴンスが担当したということで、大いに注目を集めている。避暑のため北イタリアに来た17才の少年が、大学教授である父の教え子の男性に出会い恋をするというあらすじ

[2017.02]【第10回
カンツォーネばかりがイタリアじゃない】エリオ・エ・レ・ストーリエ・テーゼでひも解くイタリアの笑い

[2017.02]【第10回 カンツォーネばかりがイタリアじゃない】エリオ・エ・レ・ストーリエ・テーゼでひも解くイタリアの笑い

文● 二宮大輔 エリオ・エ・レ・ストーリエ・テーゼのライヴ 「日本のお笑いはレベルが高い」という話をたまに聞くけれど、本当にそうだろうか。そもそも比較できるほど日本で各国のお笑いが知られているとは思えないし、それ以前に笑いとはその国の文化や歴史に深く根差したものであり、比較そのものが不可能という話もある。それでも「レベルが高い」と誇れるほど、自信を持ってお笑いが理解できているのは羨ましいかぎりだ。イタリア語を勉強していて、私に立ちはだかったのが、まさしくこの笑いの壁だっ

[2017.08]【第7回
カンツォーネばかりがイタリアじゃない】Roma incontra il mondoヴィッラ・アーダの奇妙な夏祭り

[2017.08]【第7回 カンツォーネばかりがイタリアじゃない】Roma incontra il mondoヴィッラ・アーダの奇妙な夏祭り

文● 二宮大輔 ヴィッラ・アーダの小島 「夏は夜」という枕草子の定説は万国共通なのかもしれない。ローマでも夏は夜が格別だ。昼間の日差しの暑さをほのかに残す石畳に、涼しい夜風が吹き抜ける。ジェラートやかき氷を食べながら、川沿いを散歩する。イベントも盛りだくさんで、例えば野外上映会。この時期、雨の少ないローマでは、野外にスクリーンを設置して特別プログラムを実施することが多い。そして同じような感覚で野外にステージを組んでライヴも行われている。夏休みに、何日間もかけて緩やかに続

[2017.10]【第8回
カンツォーネばかりがイタリアじゃない】イタリアのサザンは自撮りで夏を制す
タカギ・エ・ケトラ 「セルフィー軍団」

[2017.10]【第8回 カンツォーネばかりがイタリアじゃない】イタリアのサザンは自撮りで夏を制す タカギ・エ・ケトラ 「セルフィー軍団」

文● 二宮大輔 タカギ・エ・ケトラ(Takagi & Ketra)  いま私は大変なバブル期にある。記事も書くし翻訳もするけれど、夏期はなんといってもバカンスで日本に来るイタリア人観光客のためのガイドや電話対応をするのが、私の主な仕事となる。この観光客が、現在うなぎのぼりに増えており、日本政府観光局の発表によると、2016年の訪日イタリア人は前年比15%増の11万9000人。今年はさらなる増加が見込まれている。  そんなイタリア人観光客が日本に来る一つの目的は、写真を撮

[2017.07]【第6回
カンツォーネばかりがイタリアじゃない】クラッシュ・キッド、ピオッタ、プリモ・ブラウン
高架下のヒップホップ文化

[2017.07]【第6回 カンツォーネばかりがイタリアじゃない】クラッシュ・キッド、ピオッタ、プリモ・ブラウン 高架下のヒップホップ文化

文● 二宮大輔  トラステヴェレ駅の高架下に大好きな落書きがあった。  地下鉄の車両、店のシャッター、ビルの壁、ローマにはいたるところに落書きがある。いちばん多いのは「ラツィオのクソ野郎」や「人種差別反対」など、特定のサッカーチームの悪口や社会的なメッセージをスプレー缶で走り書きしたもの。もう一つは、もっと本格的なフォントで、ヒップホップのアーティストやグループの名前を描いた巨大なロゴマークのようなもの。さらに、1910年のメキシコ革命を発祥とするムラーレスと呼ばれる壁画

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