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世界の音楽情報誌「ラティーナ」

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#ラティーナ2017年2月号

[2017.02]連載 小松亮太のタンゴ場外乱闘 #9 疑心暗鬼はシンコパから始まる

文●小松亮太 text by RYOTA KOMATSU  小松亮太さんの著書『タンゴの真実』が発売されたことを記念して、過去の月刊ラティーナに連載した記事を掲載致します。  僕が紹介される際、「小松さんは異ジャンルのアーティストとの共演も多く……」といった文言がよく使われるが、その音楽的成果の度合いはともかく、演奏家がジャンル超え(のようなもの)に挑む姿というのは何かしら魅力的に映るのだろう。しかしポップスやジャズやクラシックなどの演奏家とのコラボの要請に次々に応えるの

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[2017.02]【連載 TÚ SOLO TÚ #202】息子ブレント・フィッシャーが指揮、最新作がリリース クレア・フィッシャーのプレイが復活!

文●岡本郁生  クレア・フィッシャーといえば、ラテン・ファンの口からはすぐに「モーニング」という曲名が飛び出してくるだろう。長らく西海岸を拠点に活動し、カル・ジェイダーとのコラボでも知られている名ピアニストにしてアレンジャーだ。とはいえ、だいたいはそのへんまでの認識で止まってしまうのではないだろうか? 実は2012年に83歳で亡くなっているのだが、彼が“参加”したニュー・アルバムがリリースされていることをご存知だろうか? 残念ながら2012年に亡くなったクレア・フィッシ

[2017.02]島々百景 #12 ジャワ島

文と写真:宮沢和史 右グサンさん、左ワルジーナさん (写真提供:宮沢和史)  2001年9月11日8時46分、僕はインドネシアのジャワ島にいた。眠い目をこすりながらホテルのロビーに立ち寄ると、テレビの周りに集まっている人たちがとてもザワついている、観ているチャンネルはCNN。超高層ビルディングから巨大な煙の帯がものすごい勢いで空をグレーに染め広げている。「事故だ」そう思った。放送は英語だからところどころしか理解できないが、どうやら飛行機が衝突したらしい——。その時テレビを

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[2017.02]【第1回 カンツォーネばかりがイタリアじゃない】ヴィットリオ広場のオーケストラ: 移民たちの稀有な表現活動

文● 二宮大輔  イタリア留学中に最も衝撃を受けたのは、老婆がゴミ箱の中に転落する場面だった。私が住んでいたローマの町外れのさらに外れにジプシーのバラックがあり、そこから交通の便が良いため、我が家の近くにもジプシーたちがゴミ箱を漁りに来ていた。ローマでは、幅2メートル、高さ1メートル50はあろうかという巨大なゴミ箱が各所に配置されており、近隣住民がそこにゴミを捨て、夜間にトラックが収集して回る。日にち指定もないため、不要な家具や衣類まで気軽に捨てられている。それを狙って家財

[2017.02]北中南米ツアーを成功させた国境なき音楽集団 クアトロ・ミニマル

文●長屋美保 text by MIHO NAGAYA  異なった文化と複数のルーツを呑み込んで、進化する音楽グループ、クアトロ・ミニマル(以下CM)。親指ピアノ奏者で鹿児島出身のサカキマンゴー、韓国伝統打楽器奏者であるソウル出身のチャン・ジェヒョ、メキシコシティ出身の前衛ボイス・パフォーマーのフアン・パブロ・ビジャ(以下フアンP)と、ギタリストのフェルナンド・ビゲラス(以下フェル)の計4人で編成される。  富山県南砺市で26年続くワールドミュージック・フェスティバル、スキ

[2017.02]マヌエル・バレラ インタビュー

文●山本幸洋 text by TAKAHIRO YAMAMOTO  本誌16年6月号の特集「2010年 代 の 世界の音楽~中南米・カリブ編~」内でラテン・ジャズを10枚のCDで総括したとき、6タイトルのリーダーに対し私は取材をした経験があった。リーダー作だけではなくメンバーとしての活動で目星をつけておいて、折々で取材の機会を窺うのだが、未取材のうちもっとも関心の高い一人がキューバ出身のピアニスト、マヌエル・バレラだった。そのマヌエルが16年10〜11月にトリオを率いて日本

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[2017.02]コンテンポラリー・サンパウロ─あなたが知るべき10組の新しいミュージシャンたち

SP CONTEMPORÂNEA 文:ヂエゴ・ムニス texto por Diego Muniz 翻訳:宮ヶ迫ナンシー理沙 tradução por Nanci Lissa Miyagasako  サンパウロがブラジル音楽のシーンの傾向を先取りするようになって久しい。南米最大の都市のミュージックシーンを構成する多様な音楽ジャンル。そこでは、ブラジルの各地から集まってきた新世代のミュージシャンたちが、トラディショナルなMPB(エムペーベー)ではあまり使われることのない新しい音

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[2017.02]エミシーダ─「僕の夢は漫画家になることだった…」 しかしそこからフリースタイル・バトルの世界へ飛び込みブラジルを代表するラッパーへ

文●中原仁 text by JIN NAKAHARA  東京スカパラダイスオーケストラとの共演で「Olha pro céu(上を向いて歩こう)」を録音し、11月末にバンドを率いて初来日したエミシーダ。1月号でお伝えした、国際交流基金の主催によるリオと東京での公演のレポートに続き、今回は来日中に行なったインタビューをお届けする。  現在31歳のエミシーダは、ステージでは陽性のエンターテイナー精神を発揮していたが、オフステージでは静かなる思索者、哲学者のたたずまいで、魔除けの

[2017.02]現代ポーランドのピアニズム〜スワヴェク・ヤスクウケを拠点として〜

文●オラシオ text by Horacio  一番有名な人物が大作曲家ショパンという国ポーランド。そしてアルトゥル・ルービンシュタインやクリスティアン・ツィメルマンらクラシック史に残る偉大なピアニストを数多く輩出している国でもある。しかし近年はそうした歴史と伝統を踏まえつつ、主に70年代後半以降に生まれた比較的若い世代のジャズ・ピアニストたちによる新しいピアノ表現が確立されており、単に「ショパンの国」というイメージ以上に豊潤なピアノ作品が数多く生み出されている。現代のポー

[2017.02]アンドレ・メマーリ─「作曲」と「即興」。音楽における最も大切な 2つの側面がこのアルバムで並立している

文●花田勝暁  texto por KATSUAKI HANADA  ブラジルが生んだ現代最高のピアニストと讃えられるアンドレ・メマーリ。近年は、作曲家/アレンジャーとしても、最高の仕事を残し続ける彼が、彼のレギュラーのピアノ・トリオの面々と12月に来日した。コントラバスのネイマール・ヂアスとドラムのセルジオ・ヘジの2人とのトリオだ。  愛知、岡山、東京の全日程3公演を終えた翌日のアンドレ・メマーリに、今回のツアーと、最新作となるアントニオ・ロウレイロとのデュオ作『メマー

[2017.02]イチベレ・ズワルギ・ワークショップ「我々はもっと、音楽で喜びの涙を流さなければいけない」

文●阿部浩二  texto por KOJI ABE  2017年も明けた新年早々、エルメート・パスコアル・バンドのベーシストとして来日したイチベレ・ズワルギが、同じくバンドのドラマーである息子のアジュリナンをサポートに、1月9日から三日間、彼独自のワークショップを行った。

[2017.02]ドリーマーズ・サーカス

新しいデンマーク伝統音楽/北欧トラッドを創造し、未知の領域に導く超大型新人 文●松山晋也 text by SHINYA MATSUYAMA (photo by Caroline Bittencourt)  昨年暮れの〈ケルティック・クリスマス2016〉で初来日し、欧州トラッド・フォーク・ファンの間で話題沸騰となったデンマークのドリーマーズ・サーカス。ヴァイオリンのルネ・トンスゴー・ソレンセン、シターンのアレ・カー、アコーディオンのニコライ・ブスクの3人から成るこのトリオは

[2017.02]ジョルジオ・トゥマの最後の涙。

<南イタリアから生まれた夢想の音楽> イタリアのシンガーソングライター、ジョルジオ・トゥマが2月についに日本にやってくる。盟友のギタリストであるジュゼッペ・マンタとのアコースティック・ギターのデュオで九州、大阪、東京、札幌の全国9公演を行う。 文●吉本 宏 (bar buenos aires / resonance music) text by HIROSHI YOSHIMOTO  盟友のギタリストであるジュゼッペ・マンタとのアコースティック・ギターのデュオで九州、

[2017.02]ピエール・バルー、 ブラジル音楽との旅路

文●中原 仁 text by JIN NAKAHARA  10月27日、「一期一会」と題するサラヴァ・レーベル50周年記念コンサートが渋谷で開催された。席につこうとすると、前列に座っていたピエール・バルーさんが振り返り、優しい眼差しで微笑みかけてきた。しばらく会わない間に顔が痩せたものの眼光には生気があり、コンサートの2部ではピエールさんもステージに上がって飄々とした自然体で味わい深い歌を聴かせてくれた。お元気で何よりと安心したのだが、よもやその僅か2カ月後、訃報に接するこ

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