世界の音楽情報誌「ラティーナ」

[2017.11]【第9回 カンツォーネばかりがイタリアじゃない】カンツォーネ・ブームと日…

文● 二宮大輔 ジリオラ・チンクエッティ  カンツォーネばかりがイタリアじゃないと啖呵を切って始めたこのコラムだが、これにはカンツォーネに代表されるようなステレオタイプなイタリアのイメージを壊して、別角度からイタリアの深層に迫ろうという志の表れであって、カンツォーネを批判するつも…

[2018.04]【第11回 カンツォーネばかりがイタリアじゃない】スフィアンからザローネま…

文● 二宮大輔 『君の名前で僕を呼んで』 ※4月27日 TOHOシネマズ シャンテ 他全国ロードショー ©Frenesy, La Cinefacture  今年4月に日本でも公開予定のアメリカ映画『君の名前で僕を呼んで』(Call me by your name)の音楽を、神秘的な楽曲が人気のSSWスフィアン・スティーヴンスが担当したと…

[2017.02]【第10回 カンツォーネばかりがイタリアじゃない】エリオ・エ・レ・ストーリ…

文● 二宮大輔 エリオ・エ・レ・ストーリエ・テーゼのライヴ 「日本のお笑いはレベルが高い」という話をたまに聞くけれど、本当にそうだろうか。そもそも比較できるほど日本で各国のお笑いが知られているとは思えないし、それ以前に笑いとはその国の文化や歴史に深く根差したものであり、比較そのも…

[2017.08]【第7回 カンツォーネばかりがイタリアじゃない】Roma incontra il mondoヴ…

文● 二宮大輔 ヴィッラ・アーダの小島 「夏は夜」という枕草子の定説は万国共通なのかもしれない。ローマでも夏は夜が格別だ。昼間の日差しの暑さをほのかに残す石畳に、涼しい夜風が吹き抜ける。ジェラートやかき氷を食べながら、川沿いを散歩する。イベントも盛りだくさんで、例えば野外上映会。…

[2017.10]【第8回 カンツォーネばかりがイタリアじゃない】イタリアのサザンは自撮り…

文● 二宮大輔 タカギ・エ・ケトラ(Takagi & Ketra)  いま私は大変なバブル期にある。記事も書くし翻訳もするけれど、夏期はなんといってもバカンスで日本に来るイタリア人観光客のためのガイドや電話対応をするのが、私の主な仕事となる。この観光客が、現在うなぎのぼりに増えており、日本政府…

[2017.07]【第6回 カンツォーネばかりがイタリアじゃない】クラッシュ・キッド、ピオ…

文● 二宮大輔  トラステヴェレ駅の高架下に大好きな落書きがあった。  地下鉄の車両、店のシャッター、ビルの壁、ローマにはいたるところに落書きがある。いちばん多いのは「ラツィオのクソ野郎」や「人種差別反対」など、特定のサッカーチームの悪口や社会的なメッセージをスプレー缶で走り書き…

[2017.06]【第5回 カンツォーネばかりがイタリアじゃない】The Winstons: ウィンスト…

文● 二宮大輔  初めてぐんさんに会ったのは、もう5年以上前のことだ。彼はKAWAMURA Gunの名義でローマを中心に活動する日本人ミュージシャンで、私とは在伊日本人ミュージシャンという共通項から、フェイスブックを通して知り合った。本文では、敬意と親しみを込めて彼を「さん」付けで呼ばせても…

[2017.05]【第4回 カンツォーネばかりがイタリアじゃない】Lo stato sociale (ロ・ス…

文● 二宮大輔  ボローニャという町をご存じだろうか?  イタリア北部エミリア=ロマーニャ州に位置する都市で、ヨーロッパ最古の大学があることで知られている。ミートソースのパスタのことを「ボロネーゼ」と呼ぶが、これはつまりボローニャ発祥のパスタという意味。第二次大戦後は共産党の活動…

[2017.04]【第3回 カンツォーネばかりがイタリアじゃない】ルドヴィコ・エイナウディ…

文● 二宮大輔 Ludovico Einaudi  私の行きつけの喫茶店では、地元京都のミュージシャンのCDが店内BGMとしてかかっている。中でも人気は、インディーズのロックバンドでキーボードを担当しているYatchiのソロ・アルバム「Metto Piano」だ。ピアノやキーボードの一発録音で構成されたこのCDをかける…

[2017.02]【第1回 カンツォーネばかりがイタリアじゃない】ヴィットリオ広場のオーケ…

文● 二宮大輔  イタリア留学中に最も衝撃を受けたのは、老婆がゴミ箱の中に転落する場面だった。私が住んでいたローマの町外れのさらに外れにジプシーのバラックがあり、そこから交通の便が良いため、我が家の近くにもジプシーたちがゴミ箱を漁りに来ていた。ローマでは、幅2メートル、高さ1メート…