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世界の音楽情報誌「ラティーナ」

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#ラティーナ2017年8月号

[2017.08]【短期連載】 The Latin Music is a Tramp! #1 ビル・オコンネル

文●山本幸洋  この3月のデイヴ・ヴァレンティンの死は早すぎた。だが、その死を悼んで盟友ビル・オコンネルらがコットンクラブ東京で6月18~21日にトリビュート公演を行い私たちは改めてデイヴの音楽を楽しみ、考える機会となった。メンバーはビル(ピアノ)、リンカーン・ゴーインズ(ベース)、ロビー・アミーン(ドラムズ)というデイヴゆかりの面々に、デイヴ役のフルートがチャランガ76のアイドル:アンドレア・ブラックフェルドというサプライズ! ビルというピアニスト/作編曲家は、長きにわた

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[2017.08]【連載 TÚ SOLO TÚ #208】パナマのサルサを熱くする第二弾がついにリリース! ルベン・ブラデスとロベルト・デルガードの最強タッグ

文●岡本郁生  ルベン・ブラデスの活動が活発だ。 ルベン・ブラデス  現在、故郷のパナマを拠点とする彼は2015年、オルケスタを従えたサルサ・アルバム『ソン・デ・パナマ』を発表。さらについ先ごろ、その第2弾『サルサ・ビッグ・バンド』をリリースした。いずれも力のこもった中味の濃い作品であり、さすがルベンだ、とうならせられる素晴らしい内容となっている。 ルベン・ブラデス・コン・ロベルト・デルガド&オルケスタ『ソン・デ・パナマ』(2015年)  最近のルベン・ブラデスとい

[2017.08]島々百景 #18 小豆島(香川県)

文と写真:宮沢和史  2008年は日本政府が移民政策として日本人781名を笠戸丸に乗せてブラジルへ送り出してからちょうど100年目。6月には皇太子様が公式に来伯され、10日間で8都市をご訪問されたことも大きなニュースとなり、ブラジルの日系社会が大いに盛り上がった一年となった。元はと言えば、ずさんな移民政策に踊らされ、どん底の苦労を強いられた初期移民たちが歯を食いしばって足跡のない荒野に文字通り道を作り、切り開いてきた歴史年表の大きな大きな節目であり、今ではブラジル社会にとっ

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[2017.08]風を奏でる音楽家のダイアリー #02 静寂

文●ジョアナ・ケイロス  「嗚呼、月よ。なんて美しいのだ。満月、下弦の月、三日月、どんな姿も同じように美しい」  親愛なる友人メリナ・ムラザニが歌っているの聞いて知った曲で〝牛(boi)〟がそう歌う。異議を唱えようがないほどに、月は美しい。私にだけでなく、たくさんの人に特別な効力をもたらす、今日は豊潤な満月。こんなにも完全な美しい姿を晒し、輝きを放つその姿に無関心ではいられなくて、つい見とれてしまう。ビル群に囲まれ車社会に生きる忙しない私たちの生活に、自然の魔法がさあーっ

[2017.08]【第7回 カンツォーネばかりがイタリアじゃない】Roma incontra il mondoヴィッラ・アーダの奇妙な夏祭り

文● 二宮大輔 ヴィッラ・アーダの小島 「夏は夜」という枕草子の定説は万国共通なのかもしれない。ローマでも夏は夜が格別だ。昼間の日差しの暑さをほのかに残す石畳に、涼しい夜風が吹き抜ける。ジェラートやかき氷を食べながら、川沿いを散歩する。イベントも盛りだくさんで、例えば野外上映会。この時期、雨の少ないローマでは、野外にスクリーンを設置して特別プログラムを実施することが多い。そして同じような感覚で野外にステージを組んでライヴも行われている。夏休みに、何日間もかけて緩やかに続

[2017.08]連載 太平洋の向こう岸からの手紙 #3 『ラ・プラタ川のアコーディオン奏者の集い』

文●フアン・フェルミン・フェラリス  ラテンアメリカで最初にアコーディオンを聴いた人々の歴史/物語、それは変わりゆくものです、最初に南米にたどり着いた場所を主張する人たちのように。歴史/物語というのは、とりわけ誰が話すかによります。私の場合、ふたつのことが重要だと思わされました。アコーディオンがたどり着いたこと、そしてそれ自身が運んできた歴史/物語。おそらく誰もが移民によって存在していて、それは何よりつながりによって気付かされます。それが歴史/物語それ自身をもたらすのです。

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[2017.08]【連載 ラ米乱反射 #136】制憲議会開設かマドゥーロ政権否定か 天王山対決を迎えるベネズエラ

文●伊高浩昭(ジャーナリスト)  マイアミに司令部を置く米南方軍は2017年6月6~17日、カリブ諸国など18ヶ国を巻き込んでバルバドス領海、次いでトゥリニダード&トバゴ(TT)領海で合同演習を実施した。「貿易風2017」と名付けられた演習だが、ベネズエラのマドゥーロ政権に軍事圧力を掛けるための明かな「砲艦外交」だった。特にTTはベネズエラ東部の目と鼻の先に位置する。南方軍は、米国務省と並ぶマドゥーロ政権打倒工作の中心機関なのだ。ベネズエラが緊張しないはずはなかったが、ニコ

[2017.08]MORELENBAUM²/SAKAMOTO〜ジャパン・ハウス サンパウロ開館記念コンサート

文●中原 仁 写真●Rogério Cassimiro  外務省が日本文化の発信拠点として海外で展開する施設「ジャパン・ハウス」の1号館「ジャパン・ハウス サンパウロ」が5月6日、パウリスタ通りにオープンした。7日と8日、イビラプエラ公園内のイビラプエラ劇場(オスカー・ニーマイヤーの建築作品)で開館記念のコンサートが行なわれ、7日の無料野外コンサートには1万5千人もの市民が詰めかけた。  出演は、世界規模で活躍を続け、ブラジル音楽との関わりも深い2人の音楽家、三宅純と坂本

[2017.08]『歓びのトスカーナ』〜イタリア国内で5部門受賞したパオロ・ヴィルズィの傑作

文●圷 滋夫  緑豊かな丘の上にある施設の中、優雅に日傘をさしながら闊歩する中年女。誰彼となく女主人のような態度で接しながら、人を見下した物言いで途切れ無く喋りまくっている。近くにいたら絶対話し掛けられたくない、面倒臭そうなこの女が主人公ベアトリーチェだ。ここは心に様々な問題を抱えた女性たちが社会復帰のためのプログラムに取り組む精神診療施設(隔離される日本の精神病院とは違いイタリアには自由な雰囲気の施設が多く、ここも建物に色鮮やかな壁画が描かれ庭には大きな菜園が広がっている

[2017.08]特集 編曲する女性たち|前文

マリア・シュナイダー・オーケストラ|2013年11月27日毎年恒例のJazz Standardのサンクス・ギヴィング・ウィークのギグに於いて(撮影:常盤武彦)

[2017.08]特集 編曲する女性たち|加藤真亜沙×挾間美帆 対談 - NYで活動する2人の才媛

 マリア・シュナイダーの来日期間、小春日和のNY。その現地シーンの中で確実に存在感を示している2人の女性ジャズ作編曲家による対談が行われた。 ■2人の出会い加藤真亜沙 出会いは4年前ぐらい。最初はJPジョフレのギグとかで会わなかったっけ? 挾間美帆 そうだね。私それまで正直、真亜沙のこと知らなくて。JPのギグでピアノ弾いてるのを観て、あっ日本人だって思ったのが一番最初かな。

[2017.08]特集 編曲する女性たち|ルイーザ・ブリーナ × ロウレンソ・ヘベッチス 多大な影響を受けた『Livro』を語る。

 2016年にリリースされ、リリース当時から今まで話題になり続けているアルバム『O Corpo de Dentro』を発表したロウレンソ・ヘベッチス。2017年、日本のブラジル音楽ファンの間で最も注目されているアルバム『Tão Tá』を発表したルイーザ・ブリーナ。本誌はこの2名のそれぞれインタビューを行っているが、パーカッションと管楽器がサウンドの要となる両アルバムに最も影響を与えたのはカエターノ・ヴェローゾの1997年の傑作『Livro』だという。サンパウロ出身でNYで学ん

[2017.08]特集 編曲する女性たち | マリア・シュナイダー・インタビュー “南米では、音楽は人生のメイン・コースです”

文と写真●常盤武彦 text & photos by TAKEHIKO TOKIWA 協力●平間 久美子 (2015年9月5日デトロイト・ジャズ・フェスティヴァルに於いて) マリア・シュナイダー■アメリカ合衆国ミネソタ州出身の作曲家/編曲家。ギル・エヴァンスにアレンジャーとして弟子入り後、ボブ・ブルックマイヤーのもとでも学んだ。1993年にマリア・シュナイダー・ジャズ・オーケストラ(現在はマリア・シュナイダー・オーケストラと改名)を結成し、現在まで率いている。今年の6月に

[2017.08]イシス・ヒラルド × ルイス・コール 音楽的に惹かれ合う2人の才能

コロンビア出身で、現在はカナダのモントリオールに在住するイシス・ヒラルド。ジャズ、ラテン、教会音楽などの影響が渾然一体となったイシス・ヒラルド・ ポエトリー・プロジェクト名義での『Padre』は、昨年国内リリースされ大きな評判となった。L.Aで活躍するプロデューサー/ドラマーのルイス・コールのファンであると公言しているイシス・ヒラルドに、メール対談の企画を説明すると、なんとルイスがモントリオールに行き、イシスとの共演ライヴも行ったばかりだった。