世界の音楽情報誌「ラティーナ」

[2020.12]石橋 純【特集 私が選ぶラテンアメリカの本】

[2020.12]石橋 純【特集 私が選ぶラテンアメリカの本】

選・文●石橋 純  スペイン・ラテンアメリカ音楽を知るうえで必読の著者として3人を挙げたい。濱田滋郎(1935〜)、高場将美(1941〜2018)、YOSHIRO広石(1940〜)だ。濱田・高場は、達人のスペイン語能力をもってしてラ米音楽を紹介する先駆的存在であり、このふたりに匹敵する広さと深さでラ米音楽を評論できる日本語ライターは今後現れないだろうと私は思う。広石は、著作の副題によれば「世界を驚かせた伝説の日本人ラテン歌手」。彼もまた、スペイン語の達人である。

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[2015.08]救いようのない人生に捧げる親密な歌
─YOSHIRO広石、近作を語る─

[2015.08]救いようのない人生に捧げる親密な歌 ─YOSHIRO広石、近作を語る─

文●石橋 純  スペイン語で説得力のある歌を聴かせる日本人は誰かと訊かれたら、私はまずYOSHIRO 広石の名を挙げる。  1965年ベネズエラ・デビューを皮切りに、ラテンアメリカ各国を股にかけての10年以上のツアー活動はもはや伝説の域にある。世界に向けて市場を拡大していた1960年代ラテン・ショービジネスの息吹が鮮烈に伝わってくる抱腹絶倒の自伝は、かつて本誌の前身『中南米音楽』に連載され、いまはYOSHIRO 広石の公式ウェブサイトでその一部を読むことができる。 ベネ

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[2019.05]YOSHIRO広石 ヴィンテージの声で語る
極上のラテン・エンタテインメント

[2019.05]YOSHIRO広石 ヴィンテージの声で語る 極上のラテン・エンタテインメント

文と写真●石橋 純 text & photos by JUN ISHIBASHI  今年79歳になるYOSHIRO広石が4年ぶりの新作を発表した。《Cool & Sensual Latin from Japan》と題された作品は、大人のための一夜のきらめくショー仕立てになっている。そのことはチャチャチャのリズムにのせて始まる一曲目の冒頭から、即座に感得できた。  極上のサウンドを作り上げたバック陣はピアニスト兼編曲家の奥山勝が集めた日本・キューバ・ブラジルのトッププレー

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[2019.04]岡庭矢宵の“LADIRINTO” を巡る旅

[2019.04]岡庭矢宵の“LADIRINTO” を巡る旅

文●関口義人/写真●石橋 純 text by YOSHITO SEKIGUCHI / photos by JUN ISHIBASHI  セファルディ音楽の歌手としてイスラエル、日本で活動する岡庭矢宵。イスラエル政府奨学金を受け、バルイラン大学・ラディーノセンターに籍を置きつつ、イスラエル各地、国立劇場でのフェスティバル等で歌い、メディアにも取り上げられ、現在はヘブライ大学で音楽学を学び、自身の研究を演奏につなげる。その行程で辿り着いたプロジェクト、〝LADIRINTO〟。二

[2017.06]メキシコの伝統音楽ソン・ハローチョ〜実力派グループ、ヤカテクトゥリのメンバーに訊く

[2017.06]メキシコの伝統音楽ソン・ハローチョ〜実力派グループ、ヤカテクトゥリのメンバーに訊く

文と写真●石橋 純  メキシコから伝統音楽ソン・ハローチョの音楽家父子が来日した。ミスミ・コヒマ(1970年生まれ)と息子のフリオ・ゲレロ(1998年生まれ)──メキシコ湾に面する州ベラクルスの内陸の小さな町オタティトラン(住民約5000人)の出身だ。ミスミ氏の母方の姓「Kojima」は、日系人であった曾祖父に由来する。「Mizzumi」という珍しい名も、日本語の「湖」から取られたという。