世界の音楽情報誌「ラティーナ」

[2018.01]連載 太平洋の向こう岸からの手紙 #7 『ラス・コサス』

[2018.01]連載 太平洋の向こう岸からの手紙 #7 『ラス・コサス』

文●フアン・フェルミン・フェラリス  おそらく、『ラス・コサス(物事たち)』の詩の特徴はタイトルにあるように、隠喩的な事象として物事を映しているところにあります。それは「透明な水」と「風」という我々がアルバムのオープニングとクロージングに用意した曲で多く見ることができます。この詩的なコンセプトを結合し、具体的な要素を根底に取り入れること、それはまた経験と感覚に基づいた描写によります。その場合には、水が走る、風が運ぶ、が共通のポイントです。しかしここで強調したいことは水の流れ

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[2018.02]連載 太平洋の向こう岸からの手紙  #8 『雨』

[2018.02]連載 太平洋の向こう岸からの手紙 #8 『雨』

文●フアン・フェルミン・フェラリス  「雨」はアルバム『ラス・コサス』の4曲目で、そこで扱っているのは個人的な言葉です。前号では、アルバムの詩がどのようにつくられたかお伝えしました。要素や感覚に纏う深みを簡潔な詩にする。「雨」がレパートリーに加わったのは書いた中でも新しいほうです。たとえ雨を記憶と結びつけることが一般的な比喩でも、それはアルバムの詩的な提言を統合するためのものでした。  この歌を作った時のことを覚えています。とても短い時間でしたから。ある夜、家へ帰ろうと歩

[2018.03]連載 太平洋の向こう岸からの手紙 #9 『ようこそ』

[2018.03]連載 太平洋の向こう岸からの手紙 #9 『ようこそ』

文●フアン・フェルミン・フェラリス  最初に俳句に出会った時、それはスペイン語に翻訳されたものだったのですが、その物語構造の中に特有のなにかを見つけました。 そして出会ったすべての詩を読んで過ごしました。そして私が得たそれらの紙片で最も興味深いもの、その1つはこう書いてあります。 盗人に とり残されし 窓の月 これが無名の人による作品かよく知られた詩人によるものか私にはわかりかねますが、これは良寛という人による詩です。

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