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世界の音楽情報誌「ラティーナ」

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#ラティーナ2018年6月号

[2018.06]ブラジルフィールドワーク #01 サンパウロ LGBTプライドパレード

文・写真●下郷さとみ text & photos by SATOMI SHIMOGO ブラジルのどんなところが好き?  そう聞かれたら、答えたい。  ごちゃまぜの多様性。それから、どこか突き抜けた明るさ、たくましさも。  そんな愛するブラジルの「らしさ」がいちばん凝縮しているのはこれ、とひそかに思う祭りがある。喜び、そして深い憤りや哀しみすらも明るさの高みに昇華する、多様性を祝う祭典だ。その日がまたそろそろやってくる。 レインボーカラーに染め上がる街  サンパウロ

[2018.06]【連載 TÚ SOLO TÚ #218】プエルトリコを代表する、当代随一のサルサ歌手 ビクトル・マヌエル、最新アルバム『25/7』をリリース!

文●岡本郁生  プエルトリコを代表するサルサ歌手、ビクトル・マヌエルが、最新アルバム『25/7』をリリースした。  〝24/7〟といえば、1日24時間・週7日・休みなしに、という意味になるだろうが、ではいったい〝25〟とは? ……そう!1993年、アルバム『フスト・ア・ティエンポ』でデビュー以来、今年がちょうど25年になるのだ。これをモジっての『25/7』なのである。 アメリカフロリダ州、オーランドでのライヴポスター  93年といえば、マーク・アンソニーがサルサ界にデ

[2018.06]【連載】タンゴのうた 詩から見るタンゴの世界 第5回 聖なる十字架の下に~ブロンカ(憤怒)

文●西村秀人 text by HIDETO NISHIMURA Mario Battistella Al Pie De La Santa Cruz  このタンゴは決して有名な曲ではないが、タンゴには珍しく社会性を反映した先駆的作品として評価されている曲である。1933年発表、エンリケ・デルフィーノ作曲、マリオ・バティステーラ作詞。発表後発売されたのはカルロス・ガルデル(ギター伴奏、9月18日録音)とアルベルト・ゴメス(オルケスタ・ティピカ・ビクトル伴奏、10月11日録音

[2018.06]島々百景 #28 シンガポール

文と写真:宮沢和史 ディック・リー(左)と宮沢和史  行ってみるまで、シンガポールが島であることを実は知らなかった。1992年にシンガポールを代表するファッションデザイナーであり、シンガーソングライターであるディック・リーが自身で原作、脚本を書き作詞作曲と、さらに主演まで務めたオペレッタ『ナガランド』に出演することになり、稽古とシンガポール公演での滞在を含め、およそ2ヶ月間シンガポールに滞在した。オペレッタとは芝居と踊りをオーケストラバンドを従えて演じられる歌劇のことで、

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[2018.06]風を奏でる音楽家のダイアリー #11 川のほとりのダイアリー(前編)

文 ● ジョアナ・ケイロス  パラナーには悲しみのなか到着した。熱を出して、体調を崩していた。出発前に起きた個人的な出来事によって、心の不調が身体にも現れてしまった。クアルタベーの新作録音の準備、出発直前のライヴ、発熱したまま緊張続きの日々だった。時間通りに着いたけど、ブエノスアイレスからパラナー行きの最終のバスに間に合うかドキドキしながらの旅だった。パラナー川のほとりの町にはぐったり疲れて、悲しい気持ちをぬぐえないまま到着した。ルイス・バルビエロが朝バスターミナルに迎えに

[2018.06]連載 太平洋の向こう岸からの手紙 #12 『フェルミン』

文●フアン・フェルミン・フェラリス  少し前に私の名前について尋ねられました。父は慣習に従って私をフアンを読んでいます。彼の2人の祖父、医者のフアンと肉屋のフアンに従って。ところで私の母は本の中から私の名前をつけようと探していました。フェルミンという名前が浮かぶまで。尋ねたことはないのですが、スペインのサン・フェルミン祭の闘牛と関係があるかもしれません。実際のところ父は間髪入れず「わかった」と答え、私の名前はフアン・フェルミンになりました。 @MARCERO FERRAR

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[2018.06]ジョアナ・ケイロスが、カルロス・アギーレ、セバスティアン・マッキとアルゼンチンのパラナーで共演

文と写真●宇戸裕紀 texto y fotos por HIRONORI UTO  ジョアナ・ケイロスとカルロス・アギーレ、セバスティアン・マッキがアルゼンチンのパラナーで共演──。このことばの並びを見るだけで胸が高鳴る方も多いことだろう。筆者もその1人で、この魔術的な時間を体感したいという想いに突き動かされてブエノスアイレスから往復1000キロの道のりを日帰りで旅してきたので、その印象を記しておく。  今回のジョアナのアルゼンチン・パラナーでの約4週間の滞在はアーティス

[2018.06]躍進する南ア・ジャズの最注目人物 プロデュース力に長けた 若き万能女性ピアニスト タンディ・ントゥリ

文●花田勝暁 text by KATSUAKI HANADA  南ア・ジャズシーンで突出した才能を発揮する若き女性ピアニストのタンディ・ントゥリが2作目のソロアルバムとなる2枚組のニューアルバム『Exiled』を発表した。プロデュース、アレンジも彼女自身の手によるもの。彼女の美しい歌声とピアノの音色が、高度な器楽アンサンブルに絡まり1つの豊かなアコースティックな音像となる。彼女の声がのることによって生まれる手作りの質感は、このアルバムが、他の現代の凝ったアレンジのジャズ・ア

[2018.06]特集:南アフリカの現代ジャズ 〜南ア・ジャズの新たなる黄金期の到来/ディスクガイド

1994年のアパルトヘイト廃止以来、どんどん盛んになってきた南アフリカの音楽シーン。ダンス・ミュージックのクワイトやゴムが国外からも注目を高めてきたが、今回の特集では南アフリカのコンテンポラリー・ジャズのシーンに焦点を当てたい。かつて「ケープ・ジャズ(Cape jazz)」と称され世界から注目された南アフリカのジャズ・シーン。今、その先端で、多くの世界に羽ばたくべき才能が、その才能を開花させ始めている。シーンの中で女性ミュージシャンが大いに活躍をしていることも特筆に値する。

[2018.06]特集:ぼくらの音楽 優河〜唯一無二の歌声と壮大なスケールの音世界で人々を魔法にかける〜

文●岩佐智子 text by TOMOKO IWASA  2011年からシンガーソングライターとしての活動を始め、2014年にはピエール・バルーとの共演経験もあり、現在TVCMなどでも活躍中の優河。千葉広樹をはじめ、Okada Takuroやharuka nakamura、神谷洵平といったミュージシャンと、田辺玄が全面サポートして制作された、セカンドアルバム、『魔法』がリリースされた。彼女にしかできない絶妙な言葉の表現と、魔法にかかってしまうような美しい歌声に魅了され、彼女

[2018.06]特集:ぼくらの音楽 marucoporoporo 「いつか民族音楽のテイストも感じさせるポップスをやってみたい」

文●圷 滋夫 text by SHIGEO AKUTSU  今年1月にリリースされたデビュー作『In her dream』が絶賛され、注目を集めるmarucoporoporo。ライヴでは、細部まで作り込まれた盤とは全く違い、ルーパーで音を重ねたアンビエントな音世界を一人で創出する。「女性シンガーソングライター」というイメージでは全く捉え切れない、底知れぬ才能を感じさせる23歳の音楽家に、これ迄の音楽経歴と今後について聞いてみた。 ▼

[2018.06]特集:ぼくらの音楽 TENDRE〜流れに身を任せるか、抗うように泳ぐか

文●若杉 実 text by MINORU WAKASUGI  小田急線の上りに揺られて取材場所まで向かう。とちゅう多摩川にかかった橋を通過しているとき、遠くまで見渡せる景色を見ながらTENDRE(テンダー)の〝SOFTLY〟(新曲)が耳元にふいと現れた。  空は明るいのに厚い雲が横たわっている。そんな空色を見ていると、TENDREの歌が薄陽に寄り添うように聞こえてくるからふしぎだ。歌詞もこんな感じにはじまる。 「柔らかに生きていたい 行く先の愛、確かめて 力を抜けば、

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[2018.06]特集:ぼくらの音楽 民謡クルセイダーズ〜熱い注目を集める民謡クルセイダーズが そのルーツを語る

文●松山晋也 text by SHINYA MATSUYAMA  クンビアやブーガルー他のラテン、更にはエチオピアン・ファンクなど様々なエスニック・アレンジで日本民謡を歌いまくった昨年末のデビュー・アルバム『エコーズ・オブ・ジャパン』が熱い注目を集めている民謡クルセイダーズ。福生の米軍ハウスを中心に活動していたラテン好きミュージシャンたちが集まって結成されたのが2011年のこと。現在の正式メンバーは、ギターの田中克海を筆頭に、ヴォーカルのフレディ塚本、ベースの DADDY

[2018.06]特集:ぼくらの音楽 久保田麻琴〜日本屈指のミュージック・トラヴェラーが 今見ている音の景色

文●松山晋也 text by SHINYA MATSUYAMA  民謡クルセイダーズのインタヴューを終えた足で次に向かったのは、民クルをライ・クーダーやピーター・バラカンに紹介してリスナー層の拡大にも大いに貢献した久保田麻琴のインタヴュー現場なのだった。思い起こせば、70年代に沖縄の喜納昌吉を〝発見〟して本土での大ブレイクに導いたのも久保田である。  久保田麻琴と夕焼け楽団~サンディー&ザ・サンセッツ、サンディーのソロ作品などの制作で70~90年代に世界各地の音楽を取り込