世界の音楽情報誌「ラティーナ」

[2018.07]STEFANO BOLLANI 〜濱瀬元彦が傑作『Que Bom』についてきく

[2018.07]STEFANO BOLLANI 〜濱瀬元彦が傑作『Que Bom』についてきく

インタビュー●濱瀬元彦 interview by MOTOHIKO HAMASE  ジャズ・ベーシストで、『チャーリー・ パーカーの技法 インプロヴィゼーションの構造分析』をはじめとした音楽理論に関する著作も多い濱瀬元彦氏にステファノ・ボラーニへのメール・インタビューをお願いした。  ステファノ・ボラーニは、1972年イタリア・ミラノ生まれのピアニストだ。幼い頃から才能を発揮し、彼の師匠であるイタリアのジャズのキーマン、エンリコ・ラヴァはステファノ・ボラーニのことを「まさ

4
[2018.07]島々百景 #29 対馬

[2018.07]島々百景 #29 対馬

文と写真:宮沢和史  『島々百景』の連載を書き始めて久しい。北は北海道の稚内、いや、ロシアのサハリンから、南西諸島や、ブラジルのイタパリカまで個性豊かな島々を巡り、自分の目線、口調で色々と語ってきた。しかし、まだまだ島々の魅力、島々に伝わる素晴らしい歌たちの魅力を伝えきれてはいない。なぜならば、島国として名高い我が日本は、海上保安庁が昭和62年に発表した資料によるとなんと、6852もの島を有するというのだ。ここには無人島と、北海道、本州、四国、九州の本土4島も含まれるが、こ

5
[2018.07]ブラジルフィールドワーク #02 サンパウロ – リオ
空きビル占拠運動

[2018.07]ブラジルフィールドワーク #02 サンパウロ – リオ 空きビル占拠運動

文・写真●下郷さとみ text & photos by SATOMI SHIMOGO   5月1日未明にサンパウロのセントロ(旧市街)で起きた高層ビル火災。火に包まれて崩壊するビルの映像を日本のニュースで目にした人も多いだろう。  空きビルになっていた24階建てのこの建物には、2013年以来、住む家のない146家族が不法占拠して暮らしていた。がれきの中からこれまでに発見された犠牲者の数は7名。そのうち身元がわかったのは4名だけだ。  セントロでひときわ目立っていたこの建

[2018.07]【連載 TÚ SOLO TÚ #219】過去、現在と未来までを表現する
注目のキューバのビックバンド

[2018.07]【連載 TÚ SOLO TÚ #219】過去、現在と未来までを表現する 注目のキューバのビックバンド

文●岡本郁生  オバマ政権下で始まった米国とキューバとの関係改善だが、そのまま突き進むのか?と思われたところへトランプ大統領が登場。再び後退しているようにも見える。が、大きなスパンで見れば、おそらくこの雪解けの流れが逆流することはないだろう……  そんなことを改めて感じたのも、オルケスタ・アコカンのアルバムを聴いたからだろうか。もちろん、マーク・アンソニーとヘンテ・デ・ソナのコラボだったり、映画『Cu-Bopキューバップ』だったりと、エンタテインメントの世界での相互交流が

[2018.07]風を奏でる音楽家のダイアリー #12 川のほとりのダイアリー(後編)

[2018.07]風を奏でる音楽家のダイアリー #12 川のほとりのダイアリー(後編)

文●ジョアナ・ケイロス  アルゼンチンへ行く前にアギーレとメールでやりとりをしていたら、彼から私に何曲か歌ったらと提案があった。「En la Frontera」を挙げてくれた。歌うことは大好きだけど、〝歌い手〟という自覚はない。(克服しようと努めているところだけど)技術的な制約も感じるし。それに、ある種の恥ずかしさもある。でも彼が背中を押してくれたので、歌うことにした。ホーザ・パッソスの「Outono」と、「Não vou pra Casa」は彼がさっと美しいギターアレンジ

[2018.07]【連載】タンゴのうた 詩から見るタンゴの世界 第6回 砂まじりのしわがれ声で

[2018.07]【連載】タンゴのうた 詩から見るタンゴの世界 第6回 砂まじりのしわがれ声で

文●西村秀人 text by HIDETO NISHIMURA タンゴ界でいわゆる「ヒット曲」がなくなって久しい(他の分野でも似たようなものだが)。あえて最後のタンゴのヒット曲は何だろうかと考えた時、私はこの曲だと確信する。 注:・ポラーコ…スペイン語で「ポーランド人」の意味。ゴジェネチェの髪の色が赤みがかっているところから、オラシオ・サルガン楽団時代の同僚であった歌手アンヘル・ディアスが命名。 ・マレーナ…1942年に発表されたルシオ・デマーレ曲、オメロ・マンシ詞の名

[2018.07]連載 太平洋の向こう岸からの手紙 #13 『今ふたたび』

[2018.07]連載 太平洋の向こう岸からの手紙 #13 『今ふたたび』

文●フアン・フェルミン・フェラリス  私たちは第25教室のほとんど最後列に座っていました。彼は私にこう言いました「この曲はこう演奏できると思うんだ」そしてエグベルト・ジスモンチの「Choro」の最初のコードを弾いたのです。  先生が何かを説明している間だったのですが、注意散漫だったこともありクラスに出席する代わりに廊下の外で演奏することにしました。  そのクラスは素晴らしいものだったので、また情熱を持って座りました。そしてまたフェデリコ・アレセイゴルに音楽言語を教わった

[2018.07]カニサレス その英知とテクニックを多重録音で凝縮し
フラメンコの新たな可能性を追求した新作
『洞窟の神話』

[2018.07]カニサレス その英知とテクニックを多重録音で凝縮し フラメンコの新たな可能性を追求した新作 『洞窟の神話』

文●松山晋也 text by SHINYA MATSUAYAM  様々な角度から〝フラメンコとは何なのか〟を探求し続けてきたスペインの偉大なるギタリスト、カニサレス。ここ数年はもっぱら、ファリャやアルベニス、グラナドスといった母国のクラシック系作曲家たちの作品の録音を通して、フラメンコの本質と新しい可能性を探ってきたわけだが、最近出たニュー・アルバム『洞窟の神話』は、久しぶりにフラメンコに真正面から取り組んだ作品となった。とはいっても、そこに収められたオリジナル曲群は当然、

1
[2018.07]ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ ★ アディオス

[2018.07]ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ ★ アディオス

文●田中勝則 text by KATSUNORI TANAKA  時間が経過するのは早いものだ。『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』のCDが発売されたのが1997年だから、もう20年以上が過ぎようとしている。  イギリスのインディー・レーベルであるワールド・サーキットにとってはじめての海外レコーディングになったのが、96年に制作されたこのアルバムだった。ワールド・サーキットの社長であるニック・ゴールドはこのとき、若い頃からあこがれていたライ・クーダーをプロデューサーに迎え

[2018.07]世界のヒップホップ ストリートミュージックは鳴り止まない③ 〜北欧・東欧・ロシア〜

[2018.07]世界のヒップホップ ストリートミュージックは鳴り止まない③ 〜北欧・東欧・ロシア〜

●北欧 移民の人たちの台頭 文●野崎洋子  text by YOKO NOZAKI (THE MUSIC PLANT)  北欧のヒップホップ事情について、各国の公的な音楽振興組織が共同で設立しているノルディック・プレイリスト(jajajamusic.com)のフランシーン・ゴーマンさんに話を聞くことが出来た。 「北欧とひとくくりに言っても、それぞれの国に特徴がある。ヒップホップは伝統的に社会的な問題を扱ったものが多いけど、国の事情はそれぞれだから。でも1つ言えるこ