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世界の音楽情報誌「ラティーナ」

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#ラティーナ2018年3月号

[2018.03]ディエゴ・スキッシ × 菊地成孔 スペシャル対談《後編》

《前編》はこちら。  日本とアルゼンチンの現代の音楽シーンを代表する鬼才2人の対談が実現した。ディエゴが「ザ・ピアノ・エラ 2017」への出演を控えた昨年11月某日、2人は対面。先月号掲載の前編から続く、対談後編。 Photo by Ryo Mitamura ⓅTHE PIANO ERA ■作曲とコンピュータと偶発性菊地成孔 それで具体的な質問なんですけど、作曲する際にコンピュータは使いますか? ディエゴ・スキッシ フィナーレ(楽譜作成ソフトウェア)で書いている。

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[2018.03]【短期連載】 The Latin Music is a Tramp! #8 ロベルト・フォンセカ

文●山本幸洋  90年代末にヒップ・ホップを取り入れた新しいキューバンのスタイルで颯爽とデビューし、一方でキューバ音楽が世界的にブームだった50年代のスタイルで2000年代に再び世界的な関心を呼んだブエナ・ビスタ・ソシエル・クルブで超ベテランを支えたり、ジャイルズ・ピーターソンの肝いりによるデスカルガ・セッションでリーダー格となったり、古典から現代まで様々なスタイルでキューバ音楽を支えているピアニスト:ロベルト・フォンセーカ(75年生まれ)。日本盤も何枚も出ているし、何度も

[2018.03]【連載】タンゴのうた 詩から見るタンゴの世界  第2回 ミ・ノーチェ・トリステ

文●西村秀人 text by HIDETO NISHIMURA 今からちょうど100年ほど前の1918年4月26日、ブエノスアイレス劇場でホセ・ゴンサレス・カスティージョとアルベルト・ウェイスバック脚本のサイネーテ(寸喜劇)「犬の牙」(Los dientes del perro)が上演される。座長のエンリケ・ムイニョは劇中のキャバレーのシーンで、タンゴを使おうと思いたち、当時カルロス・ガルデルのレコードが出たばかりだったタンゴ「わが悲しみの夜」(ミ・ノーチェ・トリステ)を、

[2018.03]【連載 TÚ SOLO TÚ #215】ラテン系が席巻する洋楽マーケットの注目若手 Vol.2 Jバルビン マルマ

文●岡本郁生  先月に引き続き、現在ラテン音楽界で注目されている若手アーティストたちにスポットを当ててみたい。今回はコロンビア出身のふたり、Jバルビンとマルマである。  いや。日本での知名度はイマイチなれど、ふたりとも現地ではすでに大人気で、ぽっと出の新人ではない。ともにヒットを連発し、コンサートは大盛況。いまのラテン・シーンを代表するスーパー・スターというべき存在なのだ。  まずはJバルビンだが、1985年5月7日、コロンビアのメデジン生まれで、本名は、ホセ・アルバロ

[2018.03]風を奏でる音楽家のダイアリー #08 海

文●ジョアナ・ケイロス  海は その裏に多くのミステリーを秘めている。あらゆる形、大きさ、色をした無数の生物が、海草やサンゴ、貝殻、石などを住処にして生きている。普段私たちが見ることのない世界。この地球上の大部分を占めるけれど、ほんの一部の人たちだけが知り、親しみをもっているところ。海は神秘に溢れている。  海について少し知っただけで驚嘆させられる。海の水は治癒力がって、生気をよみがえられせてくれる。海面は月明かりをなんとも鮮やかに反射し、波は乗り越えていく、音は(なんて

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[2018.03]島々百景 #25 沖縄本島那覇・辻、仲島、渡地

文と写真:宮沢和史  日本ではかつて、貧しい農村部の家庭がやむなく娘を売ってなんとか飢えを凌いだ。といった日本の歴史の日陰に潜む話を耳にしてきた。近代史を見回しても昭和の大飢饉から世界大戦へと転がり落ちていく過程で我が国は多くの貧困者、餓死者を生み出し、大勢の娘たちが遊郭へと身売りされる人身売買を横行させてしまった。明治や大正の頃には海を越え、海外へ渡らされ娼婦として働いた人たちも多く存在したという。貧しさから逃れ、地元を離れ異国へと旅立ち、移民という形で活路を見いだそうと

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[2018.03]連載 太平洋の向こう岸からの手紙 #9 『ようこそ』

文●フアン・フェルミン・フェラリス  最初に俳句に出会った時、それはスペイン語に翻訳されたものだったのですが、その物語構造の中に特有のなにかを見つけました。 そして出会ったすべての詩を読んで過ごしました。そして私が得たそれらの紙片で最も興味深いもの、その1つはこう書いてあります。 盗人に とり残されし 窓の月 これが無名の人による作品かよく知られた詩人によるものか私にはわかりかねますが、これは良寛という人による詩です。

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[2018.03]【連載 ラ米乱反射 #143(最終回)】ラテンアメリカ走馬燈 夢か幻か、過ぎ去った半世紀

文●伊高浩昭(ジャーナリスト)  私は1967年2月、ノガレス国境を徒歩で通過して米国からメキシコに入った。その瞬間、脳裡で地図が逆転した。頭上遠く、南の彼方にパタゴニア、マゼラン海峡、ドレーク海峡、そして南極半島があった。3200㎞の米墨国境を底辺に、メヒコ、カリーベ、中米、南米の巨大な大三角形が拡がっていた。その日、私のジャーナリスト人生が始まった。ラ米と南の世界に軸足を置く職業生活の幕が開かれた。それから実に51年が経ってしまった。夢のような歳月だった。南半球のあちこ

[2018.03]特集:アフリカ音楽の新しい地図

表紙の写真を撮影されたフォトジャーナリストの渋谷敦志さんに「アフリカ」と「地図」をキーワードに寄稿していただきました。 The United peoples of Africa〜アフリカの新しい地図〜 アフリカ。そこから想像するものはなんだろうか。果てしなく広がるサハラ砂漠、サファリのライオン、あるいは貧困や紛争などネガティヴなイメージだろうか。普段からアフリカに接する機会が少ないほど、限定的な情報や偏ったイメージに囚われがちだ。

[2018.03]特集:アフリカ音楽の新しい地図 キンシャサの今、アフリカ音楽の今 〜Congo - Kinshasa - 2018〜

文と写真●奥村恵子 text & photos by KEIKO OKUMURA ■キンシャサ・レポート 2018  アフリカ大陸の真ん中に位置するコンゴは、西ヨーロッパがすっぽり入るくらいの広大な濃厚な密林が広がり、その中を幅10キロメートルに及ぶコンゴ河が流れる。 これを境に北がコンゴ共和国の首都ブラザビル。南がコンゴ民主共和国の首都キンシャサだ。最近、ちょっとしたブームを起こしている「サップ」でも、この両都市は注目を浴びるようになったが、キンシャサは特に日本では、「

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[2018.03]特集:アフリカ音楽の新しい地図 日本×GHANA 〜YANO BROTHERS〜

文●宮ヶ迫ナンシー理沙 text by NANCI LISSA MIYAGASAKO  矢野ブラザーズ、というより長男マイケルを、彼がヒップホップユニットBLENDZを組んでいた時代から知っている。2008年、いまだに日本は「単一民族国家」だと語る人たちが存在する日本で、ハーフや〇〇系日本人と自称するミックスルーツな人たちが集まりこの日本での自分たちの存在感を示したいと企画されたヒップホップのライヴイベント「SHAKE FORWARD」を開催した。私は当時その仲間の一人とし

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[2018.03]特集:アフリカ音楽の新しい地図 EMICIDAが選ぶアフリカを聴くための5枚

 ブラジルを代表するラッパー、エミシーダ。2015年にルーツをたどるために、カーボ・ヴェルデ、アンゴラ、マダガスカルを訪れ、多くのインスピレーションを得て、『Sobre crianças, quadris, pesadelos e lições de casa』をリリース。長いタイトルは、多様で複雑なアフリカの複数性を表している。「母なるアフリカ」に特別な思いを寄せる彼に、アフリカ音楽の新しい地図を特集するにあたり、選盤を依頼したら、「ラティーナにならば!」とカーニバルの多忙

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[2018.03]LGBT × BRASIL & CHILE 〜ブラジルのクィア・アーティスト

文●宮下ケレコン えりか texto por ERIKA MIYASHITA KELECOM 近年、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、それぞれの英語の頭文字からとったセクシャルマイノリティの総称)のアーティストによる表現が盛んになってきました。中南米での動きも活発です。今回は、ブラジルのクィア・アーティストたちの音楽シーンと、LGBTをテーマにしたブラジルとチリの映画を紹介します。 ◆

[2018.03]LGBT × BRASIL & CHILE 〜ブラジルのクィア・アーティスト・ムーブメントを知るための10枚

文●宮下ケレコン えりか texto por ERIKA MIYASHITA KELECOM LINIKER『Remonta』(2016年) リニケルを一躍有名にした②「Zero」に、⑤「Tua」や③「Caeu」などリニケルを知るために欠かせないナンバーがずらり13曲。デビュー作でありながら完成度が高く、聞き応え十分の一枚。音楽面でもLGBTに関する発言においても刺激を受ける存在だというトゥリッパ・ルイスやターシア・ヘイス、アス・バイーアス・イ・ア・コジーニャ・ミネイラが