文●西村秀人 text by HIDETO NISHIMURA
私にとってタンゴ歌手といえば、ロベルト・ゴジェネチェなのである。それは現役で見ることの出来た数少ない黄金時代を知る歌手の一人だからでもある。あまたのヒット曲をもつゴジェネチェだが、死後に出版された評伝でこの曲が、彼のヒット曲の中で特別な意味…
[2019.02]【連載】タンゴのうた 詩から見るタンゴの世界 第13回 ナーダ(何も無く…
文●西村秀人 text by HIDETO NISHIMURA
歌のタンゴの話をする時、ほとんどの場合言及されるのは作詞家か歌手である。しかし作曲家の存在も忘れてはいけない。特に今回取りあげるバンドネオン奏者ホセ・ダメスのように、現代でも受け継がれる名曲を3つも残したにもかかわらず、演奏家としてはまった…
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[2018.11]【連載】タンゴのうた 詩から見るタンゴの世界 第10回 メーキャップ(マ…
文●西村秀人 text by HIDETO NISHIMURA
アルゼンチン・タンゴの世界で兄弟両方が演奏家、という例はかなり多い。しかし作詞・作曲ということになると、父子の例はあるが(ホセ・ゴンサレス&カトゥロ・カスティージョ、パスクアル&ホセ・マリア・コントゥルシなど)、兄弟で創作活動をしてきた例は…
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[2019.03]【連載】タンゴのうた 詩から見るタンゴの世界 第14回 最終列車…
文●西村秀人 text by HIDETO NISHIMURA
今年(2019年)はアストル・ピアソラ作曲=オラシオ・フェレール作詞の名コンビによる大ヒット曲「ロコへのバラード」(Balada para un loco)が発表されて50年という記念の年にあたる。この「ロコへのバラード」大ヒットの発端となったのは、あるコンクールで2…
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[2019.11]【連載】タンゴのうた 詩から見るタンゴの世界 第22回 アクアフォルテ(…
文●西村秀人 text by HIDETO NISHIMURA
この曲を初めて聞いたのはアグスティン・マガルディの歌だったと思う。何ともわびしく、悲しい曲だと思ったものだが、それはマガルディの泣き節のなせる業だったのかもしれない。この曲が史上初の社会派タンゴ、失恋ではなく社会格差を訴えたものだったことを…
[2019.12]【連載】タンゴのうた 詩から見るタンゴの世界 第23回 淡き光に(ア・メ…
文●西村秀人 text by HIDETO NISHIMURA
アルゼンチン・タンゴの5大有名曲には入るぐらい、よく知られたタンゴだ。器楽演奏と歌で同じぐらい録音がある珍しいケースでもある。
作曲者はロイド眼鏡で親しまれた楽団リーダー・バイオリン奏者のエドガルド・ドナート。ブエノスアイレス生まれながら…
[2020.01]【連載】タンゴのうた 詩から見るタンゴの世界 第24回 クローディネット…
文●西村秀人 text by HIDETO NISHIMURA
「ブエノスアイレスの灰色の男」...人は彼のことをそう呼んだ。タンゴの作詞家ではなく、あくまでブエノスアイレスの詩人だった。フリアン・センテージャの決して多くはないタンゴ作品は一定のスタイルを持たないが、なぜか印象深い。
ブエノスアイレス…
[2020.02]【連載】タンゴのうた 詩から見るタンゴの世界 第25回 ノーチェス・デ・…
文●西村秀人 text by HIDETO NISHIMURA
タンゴの歴史は長く、今も歌い継がれる名曲が描く舞台はすでに失われてしまったものも多い。タンゴ第一次黄金期のコリエンテス通りは今のコリエンテス通りとはちがう位置だし、かつてのキャバレーやカフェも残っているものはほとんどない。そんな中、世界3大…
[2020.03]【連載】タンゴのうた 詩から見るタンゴの世界 第26回 そこにいて(ケダ…
文●西村秀人 text by HIDETO NISHIMURA
これまでタンゴの歴史を飾ったさまざまな名曲を紹介してきたが、今もタンゴの歌が日々作りだされていることを忘れてはいけない。マスメディアにおけるタンゴのプレゼンスが低くなったために、いわゆる広く親しまれるヒット曲は出にくい状況になったが、今日…
[2019.10]【連載】タンゴのうた 詩から見るタンゴの世界 第21回 心ならずも~タル…
文●西村秀人 text by HIDETO NISHIMURA
古い世代のギタリストには名作曲家でもあった人が多い。ロベルト・グレラ(「ラス・クアレンタ」)、ホセ・マリア・アギラール(「世の中にはねじが1本抜けている」)、ギジェルモ・バルビエリ(「日曜日のために」)、オラシオ・ペトロッシ(「ガジェギータ…