[2018.03]LGBT × BRASIL & CHILE 〜『ナチュラル・ウーマン』
文●圷 滋夫 texto por SHIGEO AKUTSU
チリのセバスティアン・レリオ監督の最新作「ナチュラル・ウーマン」は、ウェイトレスをしながらクラブで歌っているトランスジェンダーのマリーナが、恋人の死をきっかけにトラブルに巻き込まれ様々な困難に立ち向かう姿を、南米らしいマジック・リアリズム的手法を交えながら描いている。目撃者のいない事故死への嫌疑、トランスジェンダーに対する偏見と差別、そしてその存在そのものの社会的な脆さなどが浮き彫りになるが、最愛の人を失った悲