世界の音楽情報誌「ラティーナ」

[2020.01]南米に変動期再来 ボリビア政変で先住民族の悪夢甦る

[2020.01]南米に変動期再来 ボリビア政変で先住民族の悪夢甦る

文●伊高浩昭(ジャーナリスト) text by HIROAKI IDAKA  ラ米2019年最大の出来事はボリビアで11月に米国絡みで起きた民・軍合同のクーデターであろう。この政変は、スペイン人らの米州侵略に始まる先住民族蔑視・蹂躙・殺戮の悪行の歴史の再現であるがゆえに極めて深刻だ。先住諸民族が「アブヤ・ヤラ」と呼ぶアメリカ世界(米州)に生まれた現代史上初の先住民族中心の民主政権が葬られたのだ。 ▼先住民族の復権 スペイン人は十字架と剣をかざし、キリスト神とスペイン国王の

[2018.11]〈特別報告〉ブラジル次期大統領に極右の元軍人有力
労働者党政権潰しの戦略が達成間近に

[2018.11]〈特別報告〉ブラジル次期大統領に極右の元軍人有力 労働者党政権潰しの戦略が達成間近に

文●伊高浩昭 text by HIROAKI IDAKA  ラ米の地政学的力学は域内、およびラ米・米国関係に働く。無論、域内と対米関係での力学の働き方は相互に密接に絡んでいる。その力学を左右する2018年の大きな政治状況は①コロンビア大統領選挙②メキシコ大統領選挙③ブラジル大統領選挙④ベネズエラ情勢―の4つである。  コロンビアでは6月17日の決選で右翼のイバン・ドゥケが勝利、8月7日就任した。メキシコでは7月1日、改革派民族主義者アンドレス=マヌエル・ロペス=オブラドー

[2018.06]〈特別報告〉キューバが「カストロ後」に移行開始
ミゲル・ディアスカネル議長が就任

[2018.06]〈特別報告〉キューバが「カストロ後」に移行開始 ミゲル・ディアスカネル議長が就任

文●伊高浩昭(ジャーナリスト) texto por HIROAKI IDAKA  社会主義国キューバで2018年4月19日、ラウール・カストロ国家評議会議長(86)が2期10年の任期を終え退陣、代わって第1副議長ミゲル・ディアスカネル(MD)共産党政治局員(58)が議長に就任した。1959年元日の革命から59年、革命を成し遂げた故フィデル、ラウールのカストロ兄弟が支配した時代から、カストロ一族でない「革命後世代」のMDが国家元首(議長)を務める「権力移行期間」が始まった。

[2018.12]国民と知識人 チアゴ・アムーヂ

[2018.12]国民と知識人 チアゴ・アムーヂ

文●チアゴ・アムーヂ text by THIAGO AMUD チアゴ・アムーヂは、教養に溢れた前衛派で、テクニックの扱いにおいても優れている。── カエターノ・ヴェローゾ 私は、必要があれば何度だってチアゴがブラジル音楽における真の天才であると書き記すことを約束します。──ギンガ  ブラジルで10月28日、大統領選挙の決選投票が行われ、社会自由党のジャイル・ボルソナロ下院議員が当選した(世界中のメディアで「極右」と評されている人物だ)。本誌編集部も多くのブラジルの音楽