世界の音楽情報誌「ラティーナ」

[2018.10]特集:音楽とラジオとエッセイと 〜あなたの部屋に「ラジオ」はありますか?

[2018.10]特集:音楽とラジオとエッセイと 〜あなたの部屋に「ラジオ」はありますか?

文●久間珠土織  最近「ラジオ」を聴きましたか?  今やパソコンやスマートフォンから全世界のラジオステーションのプログラムを聞くことができる、そんな便利な時代だから、もっと「ラジオ」を身近に感じて欲しい!  遠い昔を思い出した。私が育った部屋には、いつも「ラジオ」があった。机は決まって窓際。それは、空を眺めながら「ラジオ」から流れる「音楽」を聴くのが好きだったから。  日曜の朝は9時に起きて、オレンジジュース、目玉焼きにサラダ、トースト、そしてコーヒーをお気に入りの

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[2018.10]特集:音楽とラジオとエッセイと 「サウージ!サウダージ...」 30周年!

[2018.10]特集:音楽とラジオとエッセイと 「サウージ!サウダージ...」 30周年!

文●中原 仁  1988年の夏。フリーランスのディレクターとしてFM東京で多くの番組を制作した後、開局前のJ–WAVEに入社してチーフ・プロデューサーの任についた斎藤日出夫さん(現会長)から「日曜の夕方にブラジル音楽を軸とする番組の枠を作った。君に制作を任せるので企画とタイトルを考えよ」とのミッションが下った。  24時間×7日の生活サイクルの中で、他にはない特別な感情を喚起する日曜の夕方に、感情表現が豊かなブラジル音楽は絶対にハマるとの確信があり、タイトルも、曜日と時間

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[2018.10]特集:音楽とラジオとエッセイと 〜ジャレット、バッハ、ショスタコービッチ

[2018.10]特集:音楽とラジオとエッセイと 〜ジャレット、バッハ、ショスタコービッチ

文●中島ノブユキ  パリに移住して1年が経とうとしている。今この原稿を書く前にふと思い立って自宅の作曲部屋の窓ガラスを掃除した。ここに住み始めてから一年が経った。窓の掃除をしたのは初めてだ。

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[2018.10]特集:音楽とラジオとエッセイと 〜サッカーという音楽

[2018.10]特集:音楽とラジオとエッセイと 〜サッカーという音楽

文●今福龍太  ブラジルにおける「サッカー」(フチボル)という一つの宇宙が、数多くの音楽家たちのインスピレーションの源泉になってきたことは、しばしば語られてきた。けれど、ブラジルではサッカーが音楽のテーマになってきた、という言い方はあまりにも表面的な紋切り型というべきだろう。ブラジルでは、人は誰でも、サッカーという揺籃のなかの赤子として生まれ、ジンガのリズムに揺れながらいつのまにか身体にサッカーの律動を宿し、ボールとともに機知あるサンバのステップを踏みはじめる。だから、サッ

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[2018.10]特集:音楽とラジオとエッセイと 〜ラジオの大国にて

[2018.10]特集:音楽とラジオとエッセイと 〜ラジオの大国にて

文●旦 敬介  僕がブラジルに一番長く住んでいた1990年代前半は今から考えると、音楽のメディアの大転換の真っ最中にあった。販売されている音楽のメディアの中心はブラジルでは当時はまだLPレコードで、多くが同時にカセットでも販売されていた。LPレコードのカバーの裏の隅のほうには、"Disco é cultura"(レコードは文化)という決まり文句(著作権侵害への戒めだったのか)とともに、「カセットでも販売中」とも印刷されていて、カセットのことがしばしば「K7」(カセッチ)と省

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[2018.10]特集:音楽とラジオとエッセイと 〜まさかのクラシック

[2018.10]特集:音楽とラジオとエッセイと 〜まさかのクラシック

文●星野智幸  初めて自分で買ったレコードは、まさかのクラシックだった。カラヤン指揮、ベートーヴェンの交響曲『田園』と『英雄』のカップリング。横浜市の小学生の高学年のころで、二子玉川園(当時)の高島屋に入っている新星堂まで遠出して買った。  こう書くと、ハイソな家庭に育ち、小ぎれいにしている親のもと、週一でヴァイオリンなどを習っていて、ときどき革靴を履く子どもをイメージするかもしれないけれど、もちろん私の記憶にそんな自分は存在しない。文化的には貧しい家庭環境だった。

[2018.10]特集:音楽とラジオとエッセイと 〜フロリディータで会おう

[2018.10]特集:音楽とラジオとエッセイと 〜フロリディータで会おう

文●柳原孝敦  2017年3月に一週間ほどハバナに滞在したときに気になることがあった。五分おきに、というと大げさだが、それだけ頻繁に「チャン・チャン」が耳に入ってきたことだ。言わずとしれた世界的大ヒットアルバム『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』冒頭の一曲だ。旧市街のレストランや酒場などにいると、こっちの店にもあっちの店にも流しの楽団がやってきて演奏を始める。楽団によってレパートリーの違いはあるが、決まって一度は「チャン・チャン」を演奏するのだ。こっちの店に楽団がいなくなる

[2018.10]特集:音楽とラジオとエッセイと 〜ヴァイオリンと弦楽のためのシャコンヌ

[2018.10]特集:音楽とラジオとエッセイと 〜ヴァイオリンと弦楽のためのシャコンヌ

文●伊藤ゴロー  テレビをほとんど見ない家で育ったこともあり、テレビかラジオかと言われれば、間違いなくラジオっ子です。NHKラジオ第一放送、NHK-FM、そしてレコードマニアの父が大好きなクラシック音楽のLPが一日中流れている家でした。  特に思い出があるラジオ番組は、小学生の頃、日曜日の午前中にNHK-FMで放送されていた「海外の音楽」という番組です。でも、誰に聞いても「そんな番組知らない」と言われるので、タイトルは記憶違いかもしれません。(だれか番組名をご存知の方、ぜ

[2018.10]特集:音楽とラジオとエッセイと 〜ブラジルの中古レコード

[2018.10]特集:音楽とラジオとエッセイと 〜ブラジルの中古レコード

文●林 伸次  ブラジルの中古レコードって、「サイン」が入ってるのがあるってご存じですか? いえ、そのレコードのミュージシャンのサインじゃないんです。そのレコードのかつての所有者のサインが入ってるんです。それもレコードジャケットとレコードのレーベルのどちらにも入っていることがありまして、「ああ、このレコード、こんなサインが入ってなければもっともっと高額で取り引きされたのに」っていつもいつも気になってたんですね。

[2018.10]特集:音楽とラジオとエッセイと 〜伊集院光の話芸は、質の高い即興演奏のようだ

[2018.10]特集:音楽とラジオとエッセイと 〜伊集院光の話芸は、質の高い即興演奏のようだ

文と切り絵●川村亘平斎  伊集院光のヘビーリスナーになって5年になる。ラジオ歴30年、「深夜ラジオの帝王」である彼の芸歴からすると、聴取期間5年はさほど長くない、というかむしろ短い。  伊集院光のラジオを聴くようになったきっかけは、妻の勧めからだった。2011年頃から影絵のパフォーマンスや作品制作が急増して、ステージで語ることが多くなった。20代を音楽家として過ごしてきた僕は、人前で面白い話をする、ということがどういうことなのかよくわからなかった。そんな時、妻が「伊集院光

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