文●久間珠土織 最近「ラジオ」を聴きましたか? 今やパソコンやスマートフォンから全世界のラジオステーションのプログラムを聞くことができる、そんな便利な時代だから、もっと「ラジオ」を身近に感じて欲しい! 遠い昔を思い出した。私が育った部屋には、いつも「ラジオ」があった。机は…
文●中原 仁 1988年の夏。フリーランスのディレクターとしてFM東京で多くの番組を制作した後、開局前のJ–WAVEに入社してチーフ・プロデューサーの任についた斎藤日出夫さん(現会長)から「日曜の夕方にブラジル音楽を軸とする番組の枠を作った。君に制作を任せるので企画とタイトルを考え…
文●中島ノブユキ パリに移住して1年が経とうとしている。今この原稿を書く前にふと思い立って自宅の作曲部屋の窓ガラスを掃除した。ここに住み始めてから一年が経った。窓の掃除をしたのは初めてだ。
文●今福龍太 ブラジルにおける「サッカー」(フチボル)という一つの宇宙が、数多くの音楽家たちのインスピレーションの源泉になってきたことは、しばしば語られてきた。けれど、ブラジルではサッカーが音楽のテーマになってきた、という言い方はあまりにも表面的な紋切り型というべきだろう。ブラ…
文●旦 敬介 僕がブラジルに一番長く住んでいた1990年代前半は今から考えると、音楽のメディアの大転換の真っ最中にあった。販売されている音楽のメディアの中心はブラジルでは当時はまだLPレコードで、多くが同時にカセットでも販売されていた。LPレコードのカバーの裏の隅のほうには、"Disco …
文●星野智幸 初めて自分で買ったレコードは、まさかのクラシックだった。カラヤン指揮、ベートーヴェンの交響曲『田園』と『英雄』のカップリング。横浜市の小学生の高学年のころで、二子玉川園(当時)の高島屋に入っている新星堂まで遠出して買った。 こう書くと、ハイソな家庭に育ち、小ぎれ…
文●柳原孝敦 2017年3月に一週間ほどハバナに滞在したときに気になることがあった。五分おきに、というと大げさだが、それだけ頻繁に「チャン・チャン」が耳に入ってきたことだ。言わずとしれた世界的大ヒットアルバム『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』冒頭の一曲だ。旧市街のレストランや酒場…
文●伊藤ゴロー テレビをほとんど見ない家で育ったこともあり、テレビかラジオかと言われれば、間違いなくラジオっ子です。NHKラジオ第一放送、NHK-FM、そしてレコードマニアの父が大好きなクラシック音楽のLPが一日中流れている家でした。 特に思い出があるラジオ番組は、小学生の頃…
文●林 伸次 ブラジルの中古レコードって、「サイン」が入ってるのがあるってご存じですか? いえ、そのレコードのミュージシャンのサインじゃないんです。そのレコードのかつての所有者のサインが入ってるんです。それもレコードジャケットとレコードのレーベルのどちらにも入っていることがありま…
文と切り絵●川村亘平斎 伊集院光のヘビーリスナーになって5年になる。ラジオ歴30年、「深夜ラジオの帝王」である彼の芸歴からすると、聴取期間5年はさほど長くない、というかむしろ短い。 伊集院光のラジオを聴くようになったきっかけは、妻の勧めからだった。2011年頃から影絵のパフォーマンス…