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[2021.06]【連載 アルゼンチンの沖縄移民史⑥】「世替わり」の中の移民と文化

[2021.06]【連載 アルゼンチンの沖縄移民史⑥】「世替わり」の中の移民と文化

文●月野楓子  去る6月23日は「慰霊の日」だった。76年前の今日、沖縄に配備された日本軍の司令官が自決し、組織的な戦闘は一応終結したとされる(以降も離島での戦闘や日本軍による住民殺害、飢餓等によって多くの人が亡くなった)。戦争による惨禍が再び起こることのないよう「恒久の平和を希求するとともに戦没者の霊を慰める」ため、「慰霊の日」が制定された。県内の学校や役所は休みとなり、様々な場所で祈りが捧げられる。  地上での戦いが展開された沖縄戦では20万人以上の人々が命を落とした。

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[2021.03]【連載 アルゼンチンの沖縄移民史④】アルゼンチンでの生活

[2021.03]【連載 アルゼンチンの沖縄移民史④】アルゼンチンでの生活

文●月野楓子  1908年に日本を出発した第一回ブラジル移民のコーヒー耕地での生活は、彼らが当初思い描いていたようなものではなかった。そのため、配属された農地を後にし、よりよい労働条件や新たな仕事を求めて移動する人びとが後を絶たなかった。前回書いたように、笠戸丸移民のうち、1年後にも耕地に残っていたのは781名中僅か191名に過ぎない。  コーヒー耕地を出た移民たちは、港へ向かった。港は自分たちが乗ってきた船が着いた場所であり、また、他の場所へ向かうことのできる出口でもあ

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[2021.01]宮沢和史インタビュー 〜2020年について聞く ツアーのこと、沖縄のこと〜

[2021.01]宮沢和史インタビュー 〜2020年について聞く ツアーのこと、沖縄のこと〜

取材・文●佐々木俊広  2021年1月に最新作『次世界』のリリースを発表した宮沢和史。2020年をどのように捉えて行動し、どんなことを感じ、考えていた1年だったのか。コンサート・ツアーを終えたばかりの宮沢氏に話を訊いた。 ── まず、終えられた秋~冬のコンサート・ツアー「詩の朗読と歌によるコンサート2020 “未来飛行士”」についてお聞きします。 宮沢和史 10月から始めたツアーで、3公演中止にしてしまったので非常に心苦しくてですね、こちらの勝手な都合で中止にしてしまっ

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[2018.12]島々百景 #34 小浜島

[2018.12]島々百景 #34 小浜島

文と写真:宮沢和史  沖縄の三線という楽器は琉球古典音楽・舞踊、組踊、琉球芝居、エイサー、民謡、に欠かすことのできない伴奏楽器であり、かつては沖縄の魂と称され、日本の刀にも並ぶほどの大切な家宝でもあった。棹の部分はリュウキュウコクタン(くるち)、特に八重山地方のくるちが最良の材木とされていて、チーガと呼ばれる胴の部分は県産の木材、表裏にはニシキヘビの皮をきつく張り、あのなんとも言えない風情ある音を奏でる。同じ弦楽器で同じく弾くように演奏するギターと同様に音の立ち上がりは早い

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