世界の音楽情報誌「ラティーナ」

[2019.03]島々百景 #37 山梨県・甲府市

[2019.03]島々百景 #37 山梨県・甲府市

文と写真:宮沢和史  生みの親というのは自分で選択することができない。オギャー! とこの世に生まれ出ずる10ヶ月も前にすでに決定してしまってる。選択という意味では、生まれ故郷にも同じことが言える。誕生の時点で出生地を選択する権利は本人には無い。そういう意味では親と故郷はほぼ同じ概念として人に刷り込まれるのではないだろうか? 親というものが意識として判別できる頃になると自分がどのような空間で生きているのか、がぼんやり分かってくる。社会や地域という枠組みの中にいることを自覚する

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[2018.11]島々百景 #33 バリ

[2018.11]島々百景 #33 バリ

文と写真:宮沢和史  島々の歴史を改めて調べてみると、その多くは侵攻、侵略による上書きによって年表が書き進められる場合が多い。人間は自分の生命、老いの速度でしかものを感じ取ることができないから、現在世界情勢はグラついていると認識しながらもなんとか均衡を保っていると思いがちだが、世界を巻き込んだ戦争からまだ73年しか経っておらず、その間にもあちこちで数え切れないほどの紛争、戦争が巻き起こっているのだから、今の均衡を俯瞰から見たら、人類の争いの歴史のつかの間の谷間の静寂なのかも

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[2018.06]島々百景 #28 シンガポール

[2018.06]島々百景 #28 シンガポール

文と写真:宮沢和史 ディック・リー(左)と宮沢和史  行ってみるまで、シンガポールが島であることを実は知らなかった。1992年にシンガポールを代表するファッションデザイナーであり、シンガーソングライターであるディック・リーが自身で原作、脚本を書き作詞作曲と、さらに主演まで務めたオペレッタ『ナガランド』に出演することになり、稽古とシンガポール公演での滞在を含め、およそ2ヶ月間シンガポールに滞在した。オペレッタとは芝居と踊りをオーケストラバンドを従えて演じられる歌劇のことで、

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[2018.04]島々百景 #26 八重山諸島・竹富島

[2018.04]島々百景 #26 八重山諸島・竹富島

文と写真:宮沢和史  沖縄県の石垣島から船に乗って南西へ進むとあっという間に小さな島に着く。石垣島のフェリー乗り場周辺の雑踏からたった15分で次元をひとつまたいだほどの別世界に上陸することができる。その島の名前は竹富島。島のおじさんが三線を弾いて歌いながら水牛車で島内を案内している光景をテレビなどでご覧になったことがあるかと思うが、そう、まさにあの島である。星の数ほどある琉球弧の民謡の中で最も知名度が高く、多くの人に親しまれている「てぃんさぐぬ花」と肩を並べる名曲「安里屋ゆ

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[2017.07]島々百景 #17 サムイ島

[2017.07]島々百景 #17 サムイ島

文と写真:宮沢和史  今から25年ほど前の話になるが、4枚目のアルバムに収録する曲をタイのスタジオで録音してみようということになって、曲を書いてバンドメンバーとスタッフとバンコクへ渡ったことがあった。そのスタジオは必要な録音機材はちゃんと揃っていて、何よりスタジオ代が安いということで、今後のレコーディングの仕方を模索する上でもチャレンジしてみる価値のある試みに思えた。それまで、アメリカやジャマイカには行ったことがあったが、東南アジアと呼ばれる地域には初上陸で、到着した時の味

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