世界の音楽情報誌「ラティーナ」

[2021.07]【TOKIKOの 地球曼荼羅 ⑫[最終回]】世界中に故郷を持つ国 ─ アメリカ

[2021.07]【TOKIKOの 地球曼荼羅 ⑫[最終回]】世界中に故郷を持つ国 ─ アメリカ

文●加藤登紀子 ※こちらの記事は、7/21からは、有料定期購読会員の方が読める記事になります。定期購読はこちらから。 ❶ピート・シーガーの「花はどこへ行った」  この連載の1回目に、何故か私にとって抜き差しならない歌の多くがロシアにゆかりのある歌だというテーマで、「悲しき天使」「花はどこへ行った」のことを書きました。  どちらも英語で歌われて68年ごろ、世界的なヒットソングになった歌です。  「悲しき天使」はジョン・ラスキン作詞作曲とされてきましたが、ロシア革命前後に作

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【谺する土地、響きあう聲 ⑶】ジェイムズ・ボールドウィンへの手紙(上)

【谺する土地、響きあう聲 ⑶】ジェイムズ・ボールドウィンへの手紙(上)

文●今福龍太 今福龍太 :文化人類学者・批評家。1980年代初頭からラテンアメリカ各地でフィールドワークに従事。クレオール文化研究の第一人者。奄美・沖縄・台湾の群島を結ぶ遊動型の野外学舎〈奄美自由大学〉を2002年から主宰。著書に『ミニマ・グラシア』『ジェロニモたちの方舟』『ヘンリー・ソロー 野生の学舎』『ハーフ・ブリード』ほか多数。主著『クレオール主義』『群島-世界論』を含む新旧著作のコレクション《パルティータ》全5巻(水声社)が2018年に完結。 1月7日 Jimmy

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[2020.12]【「ラ米乱反射」電子版 第5回】ラ米の2020年重要ニュース

[2020.12]【「ラ米乱反射」電子版 第5回】ラ米の2020年重要ニュース

文●伊高浩昭(ジャーナリスト) ▼コロナ疫病COVID19猛威振るう  ラ米最大のニュースは世界の他地域同様に、現在進行中のコロナ疫病「COVID19」の爆発的流行である。2020年12月半ばの時点で、世界最悪感染状況上位15カ国に、3位ブラジル、9位アルゼンチン、10位コロンビア、12位メキシコ、15位ペルーと、5カ国が名を連ねた。「暴君」型で反知性主義のジャイール・ボウソナロ大統領施政下のブラジルは、大陸国家の巨体を持て余してアマゾニアの森林を破壊したり、コロナ禍への

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[2020.11]【「ラ米乱反射」電子版 第4回】バイデン次期米政権とラテンアメリカ

[2020.11]【「ラ米乱反射」電子版 第4回】バイデン次期米政権とラテンアメリカ

文●伊高浩昭(ジャーナリスト)  2020年11月3日実施の米大統領選挙は7日、ジョセフ(ジョー)・バイデン民主党候補の当選が事実上確定した。共和党の現職ドナルド・トランプ候補は再選を阻まれた。ラ米諸国は全体としてバイデン当選を歓迎している。  トランプのラ米への関心は薄かった。大統領として訪問したのは、ブエノスアイレスでのG20首脳会議時に亜国(アルゼンチン)を訪れただけだ。歴代米大統領のなかで米州首脳会議不参加を決め込んだのはトランプだけだ。  外交政策は、マイク・ポン

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[2017.04]【連載 ラ米乱反射 #132】米州南北間の歴史的矛盾が爆発 トランプ米政権に翻弄されるメキシコ

[2017.04]【連載 ラ米乱反射 #132】米州南北間の歴史的矛盾が爆発 トランプ米政権に翻弄されるメキシコ

文●伊高浩昭(ジャーナリスト)  私は1967年3月1日、長距離バスでメキシコ市に到着、職業ジャーナリストになった。それから半世紀が過ぎた。私の記者生活とラ米取材はメキシコから始まったのだ。だが、そんな感慨に浸る暇がないほど忙しい。メキシコは今、北隣の巨人・米国の大統領ドナルド・トランプに揺さぶられ続けている。3240㎞の墨米国境は両国間の境界線であるだけでなく、米加両先進大国とメキシコに始まるラ米大陸を分ける境なのだ。すなわち米州の北と南の境界であり、地政経学的かつ社会文

[2019.04]映画『バイス』

[2019.04]映画『バイス』

文●圷 滋夫 Shigeo Akutsu  “アメリカ”と聞いて思い浮かべるイメージは、人によって千差万別だろう。中でも“自由の国”が最も一般的だが、そこに差別や格差に対する悲痛な叫びを聞いてしまうのも確かだ。それでも映画に反権力の意思を示す自由がある事は、ハリウッドに数々の政治的な名作が存在するのを見れば明らかだ。そして大手メディアが反権力の立場からそれを後押しする状況は、どこぞの国の政府に飼い馴らされた主要メディアの体たらくを思えば羨ましい限りだ。  本作はジョージ・