世界の音楽情報誌「ラティーナ」

[2019.06]ブラジルフィールドワーク #13 
我々はブラジル原初の民

[2019.06]ブラジルフィールドワーク #13 我々はブラジル原初の民

文・写真●下郷さとみ text & photos by SATOMI SHIMOGO 同時代人として生きる 「違和感がある」。そんなコメントをもらって考え込んでしまった。毎年1ヶ月かけて訪問するアマゾン先住民族の村のようすを日本の知人に語った時のことだ。  たいていの村には寺子屋のような学校があり、教員の資格を得た村の若者を先生役に民族言語とポルトガル語の両方を使った授業が行われている。外の社会との物や情報や人の行き来は年々進んで、工業的な製品も徐々に入って来るように

[2020.03]ブラジルフィールドワーク #22
文化を盗まないで

[2020.03]ブラジルフィールドワーク #22 文化を盗まないで

文・写真●下郷さとみ text & photos by SATOMI SHIMOGO 仮装の頭の羽飾りはだめ?  この号が出る頃には、ブラジルはカルナヴァル目前。今年は2月26日が四旬節・灰の水曜日なので、その前日までのおよそ1週間が祭り一色になる。といっても、お正月が過ぎればもう既にカルナヴァル気分で、そうこうするうちに毎年あるメッセージがSNSの中をめぐり始める。それは先住民族の人たちが発信する「apropriação cultural」に対する異議申し立ての言葉だ。

[2019.03]ブラジルフィールドワーク #10 
先住民族に寄り添う人、 
アンジェラ・パピアーニ

[2019.03]ブラジルフィールドワーク #10 先住民族に寄り添う人、 アンジェラ・パピアーニ

文・写真●下郷さとみ text & photos by SATOMI SHIMOGO  アンジェラ・パピアーニ。先住民族の伝統文化保持の活動を40年に渡って続けてきた人。現在は「Ikore」という団体を立ち上げて、民族の伝説や歴史を村人から聞き取り、それを民族言語とポルトガル語で本や音声記録にまとめるという活動に主に取り組んでいる。  2008年の「東京の夏・音楽祭」でアンジェラのコーディネートによりカラジャ民族が伝統儀式の唄と踊りを披露した際には、私も少しお手伝いをした

[2020.01]南米に変動期再来 ボリビア政変で先住民族の悪夢甦る

[2020.01]南米に変動期再来 ボリビア政変で先住民族の悪夢甦る

文●伊高浩昭(ジャーナリスト) text by HIROAKI IDAKA  ラ米2019年最大の出来事はボリビアで11月に米国絡みで起きた民・軍合同のクーデターであろう。この政変は、スペイン人らの米州侵略に始まる先住民族蔑視・蹂躙・殺戮の悪行の歴史の再現であるがゆえに極めて深刻だ。先住諸民族が「アブヤ・ヤラ」と呼ぶアメリカ世界(米州)に生まれた現代史上初の先住民族中心の民主政権が葬られたのだ。 ▼先住民族の復権 スペイン人は十字架と剣をかざし、キリスト神とスペイン国王の