世界の音楽情報誌「ラティーナ」

[2020.09]【沖縄・奄美の島々を彩る歌と踊り②】 沖縄の臼太鼓−シマを支える女性たちの歌声−

[2020.09]【沖縄・奄美の島々を彩る歌と踊り②】 沖縄の臼太鼓−シマを支える女性たちの歌声−

文:久万田晋(くまだ・すすむ 沖縄県立芸術大学・教授)  沖縄各地のムラには、ウタキ(御嶽)と呼ばれる聖空間がある。夏の祭りの時期にそこを訪れるとガジュマルやクロツグ、アカギなどが生い茂った鬱蒼とした原生林の中から、紺色の絣の着物をまとった数十名の女性たちの厳かで格調に満ちた歌声が聞こえてくる。一年でいちばん重要な区切りとなる夏の祭りにおいて、地域の女性たちが総出で円陣を組み、太鼓を叩きながら歌い踊る。これが沖縄の臼太鼓という芸能である。  臼太鼓(ウシデーク、ウスデーク

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[2020.08]【沖縄・奄美の島々を
彩る歌と踊り①】 沖縄の神行事−他界からのカミを迎える

[2020.08]【沖縄・奄美の島々を 彩る歌と踊り①】 沖縄の神行事−他界からのカミを迎える

文:久万田晋(くまだ・すすむ 沖縄県立芸術大学・教授)  沖縄の夏の風物詩といえば、若者が太鼓を片手に勇壮に踊り歩くエイサーや、地域の人々が東西に分かれて雄雌の綱を熱狂的に引き競う大綱引きがまっさきに思い浮かぶ。このように沖縄には、暑い夏の期間に多くの祭りが集中している。民俗学ではこれを「南島の夏正月」と呼ぶ。沖縄では本土と違って一年のいちばん重要な区切り(折目<ういみ、うんめ>、節<せつ、しつ、しち>などと呼ぶ)が正月ではなく夏の期間にあると考えられているのである。この夏

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