世界の音楽情報誌「ラティーナ」

[2021.04] 連載④音楽が世の中を大きく変えた時代〜バスク国の多彩で力強い民族の声...

[2021.04] 連載④音楽が世の中を大きく変えた時代〜バスク国の多彩で力強い民族の声...

文●本田 健治 texto por Kenji Honda  フラメンコが好きで、とにかく一度は、と出かけたほぼ半世紀前のスペイン。アンダルシアでのフラメンコ体験も濃かったが、それ以上に、あの国を取り巻く音楽性の広さを知ったことが一番だった。当時はあの悪名高いフランコの圧政が最終版の時代。表面だっては見えないにしても、フランスに近いカタルーニャやバスクを中心に、反フランコの力強い歌が次々と誕生していた。春から夏にかけてアンダルシアで開かれる熱狂のフラメンコ・フェスティバルを

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[2021.03]連載③音楽が世の中を大きく変えた時代〜1974年、スペインの記憶カタルーニャの「ノヴァ・カンソー」その2

[2021.03]連載③音楽が世の中を大きく変えた時代〜1974年、スペインの記憶カタルーニャの「ノヴァ・カンソー」その2

文●本田 健治 texto por Kenji Honda 現在のカタルーニャ独立問題の行方  さて、リュイス・リャックのペルピニャンで思い出したが、カタルーニャのスペインからの独立を目指して、ブリュッセルで政治活動を指揮する自治州のプッチダモン前州首相が、2020年1月にフランス領カタルーニャのペルピニャンに入り、ここに、スペイン領カタルーニャの分離主義活動家を集めて大集会を開いた。600台のバスを予約して敢行したという。折しもコロナ感染が急上昇で混乱している時だけに、

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[2021.02]連載②音楽が世の中を大きく変えた時代〜1974年、スペインの記憶カタルーニャの「ノヴァ・カンソー」その1

[2021.02]連載②音楽が世の中を大きく変えた時代〜1974年、スペインの記憶カタルーニャの「ノヴァ・カンソー」その1

文●本田健治  texto por Kenji Honda  カタルーニャへ  1974年といえば、長年続いたベトナム戦争が、世界のメディアの現地報道活発化で大きな反戦運動の高まりをみせ、いよいよ73年のパリ協定によってアメリカ軍撤退、翌年のサイゴン陥落へと最終段階にあった頃。 USAのニクソン大統領がウォーターゲート事件で弾劾され、弾劾決定直前に辞任。フィリピンルバング島で小野田寛郎陸軍少尉が発見され、帰国。彼にとっての太平洋戦争が終わった。立花隆が首相田中角栄の金脈を

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[2021.01]音楽が世の中を大きく変えた時代〜1974年、スペインの記憶

[2021.01]音楽が世の中を大きく変えた時代〜1974年、スペインの記憶

文●本田 健治 texto por Kenji Honda  COVID-19が相変わらず猛威を振るう中、世界中本当にいろいろなことがストップしている。このe-magazineも海外からの来日アーティストがないから、その紹介記事も組めない。弊社の招聘制作の仕事も止まったままだ。我々と特に関係の多い中南米諸国を見渡しても、コロナの勢いは増減の繰り返しで、ラテン諸国内での音楽イベントすらほとんどがストップ状態。頼みのワクチンが効くらしいことだけが唯一の望みと言うことか…。  

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[2018.11]今秋、15年目を迎える「ラテンビート映画祭」
まもなく開幕!

[2018.11]今秋、15年目を迎える「ラテンビート映画祭」 まもなく開幕!

文●矢崎久美 text by KUMI YAZAKI  スペイン&ラテンアメリカ映画の祭典「LATIN BEAT FILM FESTIVAL」が、今年15年目を迎える。日本では一般公開されにくいラテン各国の最新作を劇場で見ることのできる貴重な映画祭で、本年は11月に新宿・大阪・横浜で開催される。  注目の1本目は、ロマのコミュニティーで生きる10代の女性同士のピュアな恋愛を描いたスペイン映画『カルメン&ロラ』。女性は10代で結婚し子供を産み育てることが習わしとなっている保

[2018.07]カニサレス その英知とテクニックを多重録音で凝縮し
フラメンコの新たな可能性を追求した新作
『洞窟の神話』

[2018.07]カニサレス その英知とテクニックを多重録音で凝縮し フラメンコの新たな可能性を追求した新作 『洞窟の神話』

文●松山晋也 text by SHINYA MATSUAYAM  様々な角度から〝フラメンコとは何なのか〟を探求し続けてきたスペインの偉大なるギタリスト、カニサレス。ここ数年はもっぱら、ファリャやアルベニス、グラナドスといった母国のクラシック系作曲家たちの作品の録音を通して、フラメンコの本質と新しい可能性を探ってきたわけだが、最近出たニュー・アルバム『洞窟の神話』は、久しぶりにフラメンコに真正面から取り組んだ作品となった。とはいっても、そこに収められたオリジナル曲群は当然、

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[2018.07]世界のヒップホップ ストリートミュージックは鳴り止まない④ 〜ヨーロッパ〜

[2018.07]世界のヒップホップ ストリートミュージックは鳴り止まない④ 〜ヨーロッパ〜

●フランス 文●山田蓉子 text by YOKO YAMADA  フランスでは90年代初頭にヒップホップが勃興してから今日まで、ラップは常に音楽シーンの中心にいる。20年来トップを走り続けるBooba(ブッバ)は今日のフレンチ・ラップの代表する一人。パリ郊外シテ出身で、タクシー強盗で実刑を食らったことや、銃撃事件で逮捕されたことも。まさにギャングスタを地で行くサグ・ラッパーだ。自らのフィロゾフィーを貫く一貫した姿勢と、バッドボーイなアティチュードでシテの若者を中心に、大

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[2017.04]ブイカ・ライヴ・レポート 全く別の姿を見せてくれた衝撃の2日間

[2017.04]ブイカ・ライヴ・レポート 全く別の姿を見せてくれた衝撃の2日間

文●圷 滋夫   写真撮影●石田昌隆  2008年の初来日の後、09年と13年にラテン・グラミー賞を受賞し、多彩なゲストを迎えた15年のアルバム『Vivir Sin Miedo』も大好評だったブイカが、遂に待望の再来日を果たした。

[2017.09]映画『パッション・フラメンコ』─現代フラメンコ界をリードする最高峰のダンサーの一人、
サラ・バラスがその魂と情熱を賭ける踊りとは?

[2017.09]映画『パッション・フラメンコ』─現代フラメンコ界をリードする最高峰のダンサーの一人、 サラ・バラスがその魂と情熱を賭ける踊りとは?

文●圷 滋夫  フラメンコはスペイン南部のアンダルシアで生まれた芸能で、主に3つの要素、歌と踊りと伴奏に分かれる。サラ・バラスの2014年初演の舞台「ボセス フラメンコ組曲」は、各々の歴史の中からパコ・デ・ルシアやカマロン、アントニオ・ガデスなど、バラスが多大な影響を受けた6人の偉大な巨匠達に光を当てた熱狂の舞台で、彼女が頂点を極めた作品とも言われている。  映画「パッション・フラメンコ」はこの舞台の立ち上げから世界ツアー迄の怒涛の日々を、全てを取り仕切るサラ・バラスに密