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[2021.02]「ラ米乱反射」電子版 第7回 ラ米情勢とバイデン米政権

[2021.02]「ラ米乱反射」電子版 第7回 ラ米情勢とバイデン米政権

「ラ米乱反射」電子版 第7回 ラ米情勢とバイデン米政権 ボリビア経済モデルに注目 文●伊高浩昭(ジャーナリスト) ▼地域概観展望  ラ米の21世紀第3・10年紀(2021~30)を俯瞰的に予測すれば、保守化・右傾化がますます進むだろう。中国の台頭で米中関係は尖鋭化し、米国は中国のラ米進出に一層神経を遣い、対中関係の緊密なラ米諸国には厳しい態度で臨むことになるだろう。また欧米といざこざの絶えないロシアはラ米政策でも中国と連繋し、ラ米進出をさらに活発化させるだろう。  従

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[2020.12]【「ラ米乱反射」電子版 第5回】ラ米の2020年重要ニュース

[2020.12]【「ラ米乱反射」電子版 第5回】ラ米の2020年重要ニュース

文●伊高浩昭(ジャーナリスト) ▼コロナ疫病COVID19猛威振るう  ラ米最大のニュースは世界の他地域同様に、現在進行中のコロナ疫病「COVID19」の爆発的流行である。2020年12月半ばの時点で、世界最悪感染状況上位15カ国に、3位ブラジル、9位アルゼンチン、10位コロンビア、12位メキシコ、15位ペルーと、5カ国が名を連ねた。「暴君」型で反知性主義のジャイール・ボウソナロ大統領施政下のブラジルは、大陸国家の巨体を持て余してアマゾニアの森林を破壊したり、コロナ禍への

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[2020.11]【「ラ米乱反射」電子版 第4回】バイデン次期米政権とラテンアメリカ

[2020.11]【「ラ米乱反射」電子版 第4回】バイデン次期米政権とラテンアメリカ

文●伊高浩昭(ジャーナリスト)  2020年11月3日実施の米大統領選挙は7日、ジョセフ(ジョー)・バイデン民主党候補の当選が事実上確定した。共和党の現職ドナルド・トランプ候補は再選を阻まれた。ラ米諸国は全体としてバイデン当選を歓迎している。  トランプのラ米への関心は薄かった。大統領として訪問したのは、ブエノスアイレスでのG20首脳会議時に亜国(アルゼンチン)を訪れただけだ。歴代米大統領のなかで米州首脳会議不参加を決め込んだのはトランプだけだ。  外交政策は、マイク・ポン

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[2020.08]【「ラ米乱反射」電子版 第1回】ボルトンが暴露したベネズエラ工作 ─トランプはグアイドーを軽視

[2020.08]【「ラ米乱反射」電子版 第1回】ボルトンが暴露したベネズエラ工作 ─トランプはグアイドーを軽視

文●伊高浩昭(ジャーナリスト)  ドナルド・トランプ米大統領の安全保障担当補佐官(2018年4月〜19年9月)だったジョン・ボルトン氏がさる6月に刊行した『それが起きた部屋:ホワイトハウス回顧録』には、「自由ベネズエラ」という一章がある。同章は逸早くスペイン語に翻訳され、ベネズエラをはじめラ米(ラテンアメリカ)諸国で報じられた。私(伊高)はこれを7月初めに読んだ。  中心的内容は、ベネズエラ国会のフアン・グアイドー議長が2019年1月、首都カラカスの街頭で「大統領代行」就

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[2017.08]【連載 ラ米乱反射 #136】制憲議会開設かマドゥーロ政権否定か 天王山対決を迎えるベネズエラ

[2017.08]【連載 ラ米乱反射 #136】制憲議会開設かマドゥーロ政権否定か 天王山対決を迎えるベネズエラ

文●伊高浩昭(ジャーナリスト)  マイアミに司令部を置く米南方軍は2017年6月6~17日、カリブ諸国など18ヶ国を巻き込んでバルバドス領海、次いでトゥリニダード&トバゴ(TT)領海で合同演習を実施した。「貿易風2017」と名付けられた演習だが、ベネズエラのマドゥーロ政権に軍事圧力を掛けるための明かな「砲艦外交」だった。特にTTはベネズエラ東部の目と鼻の先に位置する。南方軍は、米国務省と並ぶマドゥーロ政権打倒工作の中心機関なのだ。ベネズエラが緊張しないはずはなかったが、ニコ

[2017.09]【連載 ラ米乱反射 #137】マドゥーロ・ベネズエラ政権が制憲議会開設 米国に支援された反政府勢力に逆襲を開始

[2017.09]【連載 ラ米乱反射 #137】マドゥーロ・ベネズエラ政権が制憲議会開設 米国に支援された反政府勢力に逆襲を開始

文●伊高浩昭(ジャーナリスト)  2017年8月4日、カラカス首都圏中心部のリベルタドール区ボリーバル広場のすぐ近くにあるベネズエラ国会議事堂本会議場に、制憲議会(ANC)が開設された。1999年に当時のウーゴ・チャベス大統領が国民投票を経て開設したANC以来18年ぶりのことだ。チャベスの下で99年12月30日公布された現行の「ボリバリアーナ憲法」を改定するため開設されたのが、今回のANCである。腰部癌により2013年3月5日死去した故チャベス大統領の後継者ニコラース・マド

[2017.07]【連載 ラ米乱反射 #135】起死回生かけ制憲議会議員選挙に向かうマドゥーロ政権 米南方軍は18ヶ国を巻き込んでカリブ海で合同演習

[2017.07]【連載 ラ米乱反射 #135】起死回生かけ制憲議会議員選挙に向かうマドゥーロ政権 米南方軍は18ヶ国を巻き込んでカリブ海で合同演習

文●伊高浩昭(ジャーナリスト)  ベネズエラ都市部での反政府勢力によるチャベス派政権打倒のための街頭動員戦術は2017年4月初めから2ヶ月半続いており、反政府派暴徒の暴力などによる死者は90人近く、死者は1200人を上回る。ニコラース・マドゥーロ大統領のチャベス派政権は苦境超克のため、1999年の現行憲法(チャベス憲法)を大幅改定して「マドゥーロ憲法」とも呼ぶべき「新憲法」を制定する起死回生戦略を遂行、7月30日に制憲議会(ANC)議員選挙を実施する。反政府勢力の中核である

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[2017.06]【連載 ラ米乱反射 #134】「クーデターの危機」に対抗するベネズエラ 反政府勢力は米指示通り街頭暴力激化作戦

[2017.06]【連載 ラ米乱反射 #134】「クーデターの危機」に対抗するベネズエラ 反政府勢力は米指示通り街頭暴力激化作戦

文●伊高浩昭(ジャーナリスト)  ベネズエラで2017年4月2日、カラカス首都園を中心に反政府勢力の抗議行動が始まった。6日には抗議行動のさなかに19歳の若者が死亡した。その後5月半ばまでに40人に達することになる死者の最初の一人であり、抗議行動が暴動に転化した日に出た最初の犠牲者だった。4月6日を境に反政府勢力は、ニコラース・マドゥーロ大統領のチャベス派政権打倒に新たな舵を切った。背後にいるのはトランプ米政権である。ゴルペ(クーデター)による政権崩壊か、それを防いでチャベ

[2019.04]〔特別報告〕キューバが4月、新憲法公布へ
ベネズエラの政情混乱は長期化か

[2019.04]〔特別報告〕キューバが4月、新憲法公布へ ベネズエラの政情混乱は長期化か

文●伊高浩昭(ジャーナリスト) text by HIROAKI IDAKA  米州唯一の社会主義国キューバは2019年2月24日、国民投票で新憲法を承認、4月10日の公布をもって「社会主義市場経済」に慎重ながら公式に踏み込む。投票前日の2月23日、キューバの最重要同盟国ベネズエラでは、トランプ米政権がでっち上げた架空傀儡政権がニコラース・マドゥーロ大統領(56)の「ボリーバル主義政権」の打倒工作に失敗した。だが米国はベネズエラ、キューバ、ニカラグアのラ米3国左翼政権の「同時