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[2020.09]ガブリエラ・ベルトラミーノの「人生を変えた3枚、1作、1冊」

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ガブリエラ・ベルトラミーノ(Gabriela Beltramino)
 アルゼンチン、コルドバ出身の歌手、女優。15歳から歌手として音楽劇、バンド活動など様々な舞台に立つ。2011年からプロジャズ歌手として活動し、2015年にはアルゼンチンジャズ界の重鎮マリアーノ・ライアコノが手がけた処女作『Senses』をリリース。欧州ツアーを行い、一躍ブエノスアイレス・ジャズ界に名を馳せた。
 女優としてはノルマン・ブリスキ、ノラ・モセインコに師事。ロサンゼルス・アクティング・スタジオで研鑽を積んだ。ニコラス・アベージョ監督『La Mirada Escrita(ニコラス・アベージョ監督、2017年)』で初主演。『Fin de Semana(モロコ・コルマン監督、2017年)』、サーシャ・マリアンナ・サルスマン監督『Meteoritxs』に出演。現在六本木ヒルズのMaduro Barのジャズショーに出演中。詩作、演劇、歌、その全てを混交させた宇宙の中に身を置き、現在スペイン語のオリジナル作となる『El Camello, el León y el Niño』を準備中。ニーチェが書き残したコンセプトに端を発し、人間として、アーティストとして真の誠実さを希求している。
IG: @gabybeltramino、FB: Gabriela Beltramino www.gabrielabeltramino.com  

 ガブリエラ・ベルトラミーノに「あなたの価値観を揺さぶられた音楽・映画・本」を教えてもらいました。


人生を変えた3枚(音楽)

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◼️Konrad Leitner 『A Mozart Concert in Vienna” - Vienna Mozart Orchestra 』(1993)

 このCDは父がオーストラリアから持ち帰って来たもので、私がこどもの頃、週末の朝になると父は大きなボリュームでかけていた。器楽曲とオペラ・アリアのコンピレーションで、私の幼少期のサウンドトラックの1枚、そしてボーカルへの愛のシンボルとなっていった。私は10歳にもなっていなかったけれどアリア「夜の女王」、「Pa-pa-papageno」、「Die Zauberflöte」を歌い、バックのダンスをものにしようと躍起になっていた。数年後クラシックのテクニックと音楽劇を勉強するようになった。この音楽と密接な関係を持つと思う。


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◼️John Coltrane & Johnny Hartman (1963)

 ジャズにはとても不思議なことにシネイド・オコナーのあまり知られていないアルバムからたどり着いた。その後、最初にエラ・フィッツジェラルドを聴いて恋に落ち、ジョニー・ハートマンの曲が歌われているのを聴いて、ボーカルというパレットに複雑な色彩が加わった。一見華麗なるヴィルトゥオーソを目指すよりも繊細で、低音の持つ海原のような力、テクスチャー、発音法を大事にすることを学んだ。


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◼️Joni Mitchell 『Blue』 (1971)

 ジョニの『ブルー』が私の人生にやってきたのはある種の抱擁と許しを抱いたようなものだった。この歌は私の耳元で「落ち着いて、私にもあったのよ」とささやき、涙が避難する小屋だった。ジョニの中には奔放さと繊細さが共存する。声とメロディの持つ自由さ、そしてメタファーの目を引くようなシンプルさが新たな道を教えてくれた。ジョニを聴いていて私は自分の音楽を描きたいのだ、自分の物語を語りたいのだと気づくようになった。

人生を変えた1作(映画)

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◼️Ingmar Bergman『Persona』

 ヒッチコックやハワード・ホークス作品とともに、『La mirada escrita(書かれた眼差し)』(2017年ニコラス・アベージョ監督)で主演を演じた際に参考にした作品。この作品を取り巻くもの全てが私のアーティストとしての人生を豊かにした。この映画を選んだのはカメラワークやフォーマルさの虜となったこと。そして何よりも安らぎの持つ力、複雑な世界へと誘う窓となる眼差しや容貌、内なる力の持つ豊かさを愛でることを教えてくれたから。


人生を変えた1冊(著書)

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◼️Marcela Lagarde 『Claves feministas para la negociación en el amor』(2001)

アレハンドラ・ピサルニクの日記、シャロン・オールズの詩、ホセ・ワタナベ、カスタネーダの著書らの候補の中からあえて選んだのはこの本。ラガルデの著書の中で初めて読んだ本で、読前と読後で自分を同じ女性と感じられなかった。このテキストは私が煙たく思っていたものに名前を与え、問題があると知らなかった問題に応えた。孤独感を軽減させ、複雑さから離れ、より自由を感じさせてくれた。敬意と明瞭さ、ヴィジョンを持って人に示唆と許しを与え、人生の遊び方を変えてくれる本のひとつ。

Gabriela Beltramino 出演情報

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●9月16日(水)小沼ようすけ+Kai Petite+沼澤尚 featuring Gabriela Beltramino 無観客配信ライブ Broadcast from JIROKICHI


●2020年9月18日(金)【生配信/会場ライヴ】「笹久保伸の世界 Vol.3」演奏×トーク
[出演]笹久保伸  ゲスト:青木大輔(サンポ―ニャ)、ガブリエラ・ベルトラミノ(ヴォーカル) 会場チケットは満員となりました。

主演映画(La mirada escrita)リンク(スペイン語、視聴無料)

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(月刊ラティーナ 2020年9月号)

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