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[2017.08]アート・リンゼイ インタビュー|13年ぶりの新作『ケアフル・マダム』を携え来日、アタバキのリズム・アンサンブル、ロウレンソ・ヘベッチスのアルバムプロデュースを語る

文●中原 仁

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 近年はリオに生活の拠点を置き、〝カンドンブレの音楽とゴスペルの融合〟をひとつのテーマに据えて13年ぶりの新作『ケアフル・マダム』を発表したアート・リンゼイが、4年連続の来日公演を行なった。ゲストや現地調達のメンバーを入れない、純粋なバンド編成のライヴも13年ぶり。長年の盟友メルヴィン・ギブスをはじめ新作に参加した3人のニューヨーク勢に、3度目の来日となるバイーア出身の打楽器奏者、マルヴァルド・パイムを加えたバンドは、アートを除く全員が黒人だ。重心が低く音の粒が大きなリズムとサウンドに乗って、ノイズギターが炸裂し繊細な歌声が響く。それはまさに〝アート・リンゼイの音楽宇宙〟としか形容しようのない磁場で、30年近く聴き続けてきた彼のライヴの中でも一、二を争う手応えがあった。

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