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[2018.03]LGBT × BRASIL & CHILE 〜『ナチュラル・ウーマン』

文●圷 滋夫 texto por SHIGEO AKUTSU

 チリのセバスティアン・レリオ監督の最新作「ナチュラル・ウーマン」は、ウェイトレスをしながらクラブで歌っているトランスジェンダーのマリーナが、恋人の死をきっかけにトラブルに巻き込まれ様々な困難に立ち向かう姿を、南米らしいマジック・リアリズム的手法を交えながら描いている。目撃者のいない事故死への嫌疑、トランスジェンダーに対する偏見と差別、そしてその存在そのものの社会的な脆さなどが浮き彫りになるが、最愛の人を失った悲しみの中でも自己を強く肯定し胸を張って前へと進むマリーナの強い意思が心を揺さぶる。3月4日(日本時間で5日)に発表されるアカデミー賞では外国語映画賞にノミネートをされている傑作だ。

 本作のプロモーションのために来日した、自らもトランスジェンダーである主演女優のダニエラ・ヴェガに話を聞いた。

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