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[2018.05]特集:中南米を旅する (TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA×中南米)

インタビュー●中原 仁

texto por JIN NAKAHARA

 89年にレコード・デビューした東京スカパラダイスオーケストラは、90年代初頭からヨーロッパ・ツアーを行ない、今世紀には北米やアジアに、10年代には中南米への進出も果たした。日本の中で最も海外での実績と評価が高いバンドのひとつであり、近年は中南米諸国の音楽家とのコラボレーションにも積極的だ。9人のバンドを代表して、GAMO (テナーサックス)と茂木欣一(ドラムス)に、近年の中南米との関わりについて話を聞いた。ちなみに2人はスカパラ内で1、2を争うブラジル音楽通でもある。

—— 中南米で最初に上陸した国はメキシコでしたね。

GAMO 2011年の「Vive Latino」というフェスでした。東日本大震災の1カ月後、日本で演奏したりしていいのかといった独特の空気になっていた時期でしたが、その前から熱烈なオファーを受けていたので行こうということになって。そこからですね、いろいろ景色が変わっていったのは。

茂木欣一 メキシコに着いて街を歩いていたら「東京スカ! 10年前から待ってたぞ」と呼びかけられたんです。それはもう興奮しました。実際にステージに立って、震災の後だったんで自分たちのマインドとしてはちょっと揺らいでるところもあったんだけど、それをメキシコのみんなが元に戻してくれたというか、自分たちが最もやるべきことをやればいいんじゃないかってことを、あの大歓声が教えてくれた気がしました。

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メキシコのフェス「Vive Latino」(2011)/右中 Nonstopska@メキシコ 動員6500人!(2018)

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