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[2019.09]マリアーノ・フェラーリ サポートはクリバスの面々。 クリバスの寡黙なベーシストが放つ知的な「歌」のアルバム。

文●宇戸裕紀 text by HIRONORI UTO

photo by Florencia Alonso

 饒舌なメンバーが多いクリバスの中でひたすら寡黙ながらその言葉の一つ一つに知性を感じさせるマリアーノ・フェラーリ。クリバスのベーシストとして知られるその彼がリーダー作を発表し、その腕の片鱗を確かに見せてくれた。

── クリバスのベーシストとして知られているので、サウンドの方向性に驚かれる方も多いと思います。作曲の際どういったものに配慮しましたか。

マリアーノ・フェラーリ そうですね、このアルバムはより歌に関係していますし、クリバスの目指す歌作りとも異なります。でもクリバスと関わるものももちろんあります。クリバスではフェルミン・フェラリスが作曲をやり、編曲は5人でやります。クリバスは自分にとって新鮮で、このようなグループは他にありません。ソロの活動はクリバス以外の活動が集約されていったものだと考えてもらってもいいと思います。作曲に際しては描きたい何か、誰かに考えを集中し、そこから歌詞と音楽にとりかかります。その後でエレキアコースティックギターでやることが多いですが楽器を加え、素材を失わないようにしながら色彩をしていきます。

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