[2018.05]特集:中南米を旅する 徒然南米行脚の思い出 小松亮太
ブエノスアイレスへの豊富な留学経験をもつ若いバンドネオン奏者が、「日本人と韓国人と中国人は同じ言語を話しているのだと思っていた」と現地の友人に打ち明けられて驚いたと言っていた。まああれだけ多くの国々のすべてでスペイン語が通じてしまう環境下(ブラジルでもスペイン語はほとんど通じる)にいる人には、東洋のたった3ヶ国の人たちが拙い英語でコミュニケーションをとっていることは確かに想像し難いのだろうが、西村秀人さんによると、そもそも彼らは近隣諸国に対してさえ明るくはないらしい。大半の日本人が、たとえばフィリピンとインドネシアの違いを簡潔に答えられないのと同様、(陸続きであるにも関わらず)ウルグアイのタンゴ・アーティストや、チリの食文化について明朗に語れるアルゼンチン人は決して多くはないそうだ。僕だって中南米はおろか、タンゴをやっているくせに彼の地についての知識すら乏しいのだが、出来る範囲で南米行脚の想い出(紙面の制約でアルゼンチンは除く)を徒然に書いてみたい。
写真 総勢10名のオルケスタ・ティピカでツアーを行い、4か国5都市にて10公演を行った
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