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[2018.09]【連載 TÚ SOLO TÚ #221】ルベン・ブラス、最新アルバム 『メドロ・マデラ』に込められた想い

文●岡本郁生

 このところ意欲的な活動を続けているルベン・ブラデスの最新アルバムが届いた。なのだが……

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『メドロ・マデラ』と題されたこの作品、ある意味で謎だらけの1枚なのだ。なにしろ、ルベンの声がまったく出てこないのである。いったいこれは、どういうことなのか?

 バックをつとめているのは、最近の2作『ソン・デ・パナマ』と『サルサ・ビッグ・バンド』で組んでいるロベルト・デルガド(ベース)が率いるバンドである。ロベルト・デルガド&オルケスタのリズム・セクションにトランペットが1本、さらに、トレスが加わった編成で、いわば、そこはかとなく、キューバのソンの楽団を思わせる音作りなのだ。

 そして—— ルベンの声がまったく出てこないというのは正確ではなくて、ときおりコーラスでチラッと聞こえては来るのだが—— メインの歌は、メドロ・マデラという〝架空のキューバ人歌手〟という設定となっているのである。もちろん、実際に歌っているのは(たぶん)ルベンで、おそらく何らかのイフェクト処理によって老齢のキューバ人の声に変えられているのだが、それが本当に、ルベンとはまったくの別人の声と歌になっている。さらに、ジャケット写真は、彼の父親のイメージから作り上げたその架空の老齢のキューバ人の顔であるという。内ジャケットには「このアルバムは、過去から未来までのキューバのソンの歌手たちに、そして常にリスペストされる愛すべきサンティアゴ・デ・クーバに捧げる」と記されている。ルベン本人によれば、これは彼の〝アルター・エゴ(別人格)〟なのである。

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