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[2020.02]ミルタ・アルバレス 巨匠アニバル・アリアス直系の本格派女流ギタリスト アルゼンチンより初来日6都市公演

文●森井英朗 text by HIDEO MORII

 ブエノス・アイレスのタンゴシーンで輝きを放つ女性タンゴ・ギタリスト、ミルタ・アルバレスが初の来日ツアーを2020年2〜3月にかけて全国6都市で行う。アニバル・アリアス直系の伝統的なタンゴ・ソロギターのスタイルを継承しつつ、フォルクローレも演奏し、さらに弾き語りもおこなう懐の深い音楽性を持つ彼女。本人にとっても念願の初来日を前にインタビューを行った。

── 日本に来るのは今回が初めてですか?

ミルタ・アルバレス はい。初めて日本を訪れる事ができるのを、とても嬉しく思っています。日本の文化に以前からとても興味を持っていて、ブエノスアイレスで墨絵の教室に通った事もあります。日本と日本の方々に深い憧れと尊敬を感じています。タンゴに関しても、日本には藤沢嵐子さん、阿保郁夫さんといった素晴らしい表現と感情でタンゴを抱いていた歌手がいらっしゃいますね。

── タンゴをギターで弾き始めたきっかけは何だったのですか?

ミルタ・アルバレス 8歳でギターの勉強を始めました。ギターは常に私にとって魔法で、音の隠れ家であり、特別な世界でした。幼少よりこの美しい楽器を抱き、その可能性を知ることは素晴らしい経験でした。私の家族は、いつもフォルクローレとタンゴを聴いていました。私にはパジャドール(ギターで即興で弾き語りをする歌手)の伯父がおり、彼の歌とギターはとても特別なものでした。クラシックギターを学び始め、アベジャネーダ音楽学校にて、タンゴギターをアニバル・アリアス、ファルクローレギターをケロ・パラシオスと2人のマエストロに師事しました。その後、ギターのためのアレンジを始め、歌を学びレパートリーに加えていきました。ポピュラー音楽は、私のギターの道を切り拓き、それが私のアイデンティティとなっています。

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