文●小松亮太　text by RYOTA KOMATSU

　小松亮太さんの著書『タンゴの真実』が発売されたことを記念して、過去の月刊ラティーナに連載した記事を掲載致します。

　早いものでこの連載もあと二回で終了だ。何しろタンゴ・ファンは絶対数が少ないので、タンゴをあまり知らない方にも楽しんで頂けるよう注意したつもりだが、どうだっただろうか。読者の反応は直接的には分からないが、この連載がきっかけとなって文芸雑誌「群像」に寄稿させていただく幸運に恵まれ、ある小説家の方にまで褒めていただけたということは、少し自信を持ってもいいのかも知れない。調子に乗るつもりは勿論ないけれど、やはり嬉しい。ありがとうございます‼

　多少なりとも本業に関係したネタを書いているから筆も進むし読んでももらえているのであって、よほど音楽に興味がある人にしか知られていない僕が、時事ネタや芸能ネタ、あるいは自分の趣味について発言しても無意味だろう。つい門外漢であることを忘れ、勢い余ってしまった人達の失敗例（ブログやツイッターでの「炎上」というやつもその一種だ）を想い起こすと、専門外の事柄で自己主張したり、私生活を晒すことにはあまり積極的になれない。