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[2018.11]パブロ・フアレス 『ソロピアノ – 鳥たちの夜明け』 空へと舞い上がる静かな情感

文●宇戸裕紀 text by HIRONORI UTO

 寡作ながらその分1枚ずつ丁寧に制作され、作っている人の温かみが感じられる数少ないレーベルであるハンモックレーベル。そのディスコグラフィーにアルゼンチン・ロサリオ出身のピアニスト、パブロ・フアレスの『ソロピアノ – 鳥たちの夜明け』が加わった。ページをめくるたびに新たな息吹を与えてくれる古い詩集のように、聴くたびに新たな情感でみたしてくれるこのアルバムはセバスティアン・マッキ率いるLuz de Agua(ルス・デ・アグア)、アンドレス・ベエウサエルトの『Dos Rios』、ホルヘ・ファンデルモーレの『Navega』といった水の悠久のながれを感じさせるアルゼンチン音楽の系譜に新たに連なっていくべき存在だろう。

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撮影:宇戸裕紀

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