[2018.02]ルイス・アルベルト・スピネッタ─音楽と詩
文●ニカンデル・ミッコネン
監修●宇戸裕紀
自らを形容することを凡庸といって避けたが、ルイス・アルベルト・スピネッタは「詩的(ポエティック)なミュージシャン」としてアルゼンチンロックに詩の力を注入し、独自の世界を築いた。2012年に62歳の若さで亡くなりながらもその詩と音楽から影響を受けていないアルゼンチンのアーティストはいないといっても過言ではない。日本ではメロディーや音楽の独創性が注目されているが、スピネッタに言わせれば、音楽と詩は陰と陽のように補完し、お互いに欠かすことができない存在。スピネッタの詩を知るうえで特に重要な70年代中頃~80年代前半の初期の作品をピックアップし、いくつかのキーワードや、政治・時代的コンテクストをもとに紐解いていく。
Photo By Eduardo Martí
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