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[2017.03]島々百景 #13 ハワイ

文と写真:宮沢和史

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 人にとって一番悲しい”別れの歌”ってどんな歌だろう…?

 ふとそんなことを考えた。親との別れ……、子供との別れ……、兄弟との別れ……、特に〝死別〟というのは体験した者にしか分からない深く悲しい別れだろう。決して体験したくはない悲しみの極致である。しかし、例外なくすべての人間がこの悲しみを味わわなければならない宿命を背負っていて、どんなに強い肉体を得ようが、賢い脳みそを持とうが、事業で成功をおさめて経済力をつけようが、生まれてきた人間全員の未来にこの悲しみが待ち受けていると言える。それらを体験しないで済む者は誰よりも先に死ぬ者であるとは、何とも皮肉な話だ。

 前回、大航海時代にポルトガル人が渡った地域にはポルトガルのギターが影響を及ぼし、独特の音楽文化が花開いたという例としてインドネシアのクロンチョンについて話した。まあしかし、あの時代のヨーロッパ人の「どこかから何かを得よう」と未知なる海を越えて行こうとするバイタリティーというか野心というか、攻撃性、転移性には信じがたいものがある。ポルトガルはヨーロッパ大陸の最西端に位置し、そこから南下しアフリカの最南端、喜望峰を越え、今度は一気に北上しインドの西側のゴアに至り、インドの東海岸へ一旦移り、今度はそこから南東へ進み、細長いマラッカ海峡をすり抜け行き着いたジャカルタを支配し、胡椒などの香辛料を買い漁り巨額の富を母国にもたらした、というんだから人間の欲望というのは、いつの世もその当時の人知を(現在も)易々と越えてしまうものなのだなと驚かされるし怖くなる——。

 19世紀の始め太平洋に浮かぶ孤島群ハワイ諸島ではサトウキビの栽培が始まっていた。1879年、一隻の船に400人強の主にサトウキビ農園の人々が乗り込み、ポルトガル本国の南西に浮かぶマデイラ諸島から南下し、今度は南米大陸の南端のマゼラン海峡を西に回り、123日かけて何と24000㎞離れたハワイに到達し移住した。当時サトウキビが茂るハワイは楽園として知られ、ポルトガル人だけではなくて、中国、フィリピンや日本からも大勢の移住者が集まっていたという。

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