[2019.07]ルツィア・カドッチュ インテリジェンス溢れる クールでエレガントな歌声で綴られた ジャズ・ヴォーカルの未来
文●オラシオ text by Horacio
ヨーロッパどまんなかに位置する国スイス。日本ではスイス銀行や永世中立国というスタンス、アルプス山脈にアーミーナイフ、テニスのロジャー・フェデラー、フィギュアスケートのステファン・ランビエールなどが有名だが、その音楽的ポテンシャルはまだまだ発見の途上にある。そんな中、気を吐いたのがヴォーカリストでチューリッヒ出身のルツィア・カドッチュだ。Enja(国内盤MUZAK)から発売された彼女の初リーダー作『スピーク・ロウ』(2016)は、地味めの選曲のスタンダード集でありながら、特殊奏法のオンパレードと人力リミックスのような手法を用いたアレンジでリスナーに大きな衝撃を与えた。その『スピーク・ロウ』や彼女のこれまで、音楽観についてインタビューしてみた。
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『スピーク・ロウ』について
Lucia Cadotsch 『Speak Low』(2016年)(国内盤MUZAKより)
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