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[2017.11]島々百景 #21 CUBA

文と写真:宮沢和史

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 気象予報士の方々が最近よくテレビで口にするのは「今までの経験値では気象予報がし難くなってきている」という当惑の言葉。確かにゲリラ豪雨だとか竜巻であるとかヒョウであるとか、51年間生きて来た自分のような世代にとって馴染みのない気象状態をテレビで見たり実際に体感したりすることが増えた。北日本は台風や熱帯低気圧などの自然災害による被害が少ないイメージがあったが、最近はそうでもないようた。西日本を見ると、京都、伊勢、熊野、この辺りは印象としてあまり災害に遭うことが少ないように思っていた。だからこそ、都や伊勢神宮がその場所を選んだのだと思っていた。何年か前にその一帯に大雨をもたらし、浸水の被害を出した巨大台風のニュースを見た時は衝撃的だった。「地球の温暖化などによる影響で気象状況が狂ってきているのは本当なんだ」と実感した出来事だった。しかし、調べてみると近畿、東海から中部地方西側にかけて、大きな台風が通過し、大きな被害をもたらすことがこれまでに何度かあった。なんといっても1959年(昭和34年)に和歌山に上陸し、奈良、三重、愛知、岐阜、富山を通過した伊勢湾台風(国際名はVeraというそうだ)の破壊力は凄まじかったという。中心付近の最大風速は毎秒75mとも90mともいわれ死者4697人、行方不明者401人、負傷者38921人、の甚大なる犠牲を出した戦後最大の自然災害だったそうだ。それに比べたら近頃の台風による犠牲者は格段に少ないと言えるが、近頃の異常気象の頻度は凄まじい。西日本のおもに九州では毎年のように水害に見舞われている。中国地方も雨や雪に悩まされ続けている。地球を俯瞰から見てみると異常気象による災害の数、頻度、被害状況はいよいよ深刻だ。2012年の『Rio+12地球サミット』でのホセ・ムヒカ氏の名演説が改めて心に響く。

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