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[2018.11]映画評『十年Ten Years Japan』

文●圷 滋夫 text by SHIGEO AKUTSU

 “十年後の日本”という共通するテーマによる5本の短編を集めたオムニバス映画で、昨年日本で公開された香港映画『十年』(2015)を出発点にタイと台湾にも広がった国際共同プロジェクトの日本版として製作された作品だ。各国の新鋭監督が独自の視点で自国が抱える問題を捉え、未来に起こる物語を描いている。

 本作にはエグゼクティヴ・プロデューサーとして『万引き家族』の是枝裕和監督が名前を連ねる。是枝は日頃から若手育成にも力を入れ、自分の撮影現場で鍛えられた若手が監督作品を制作するための道筋を常に示しており、本作への参画のオファーを快諾。プロットや脚本の段階から監修者として関わっている。

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