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風を奏でる音楽家のダイアリー #05クアルタベー

文 ● ジョアナ・ケイロス

 クララ・クロコヂロ(クララ・クロコダイル)は消えちゃった。クララ・クロコヂロは逃げちゃった。当時そしてその後の時代も続けてブラジルを揺るがすサンパウロ前衛派の第一人者、そして天才アヒーゴ・バルナベーの80年代の象徴的な作品を演奏する新しいバンドに参加しないかと声をかけられた。〈Clara Cro-co-dilo〉。思いもしないでしょう、私は若き日におばあちゃんに連れられて、リオのブラジル銀行文化センター(以下、CCBB)で行われたアヒーゴの公演を見て、アヒーゴを初めて知った。おばあちゃんは家族のなかで誰よりも前衛的で、新しいことがあるとまっさきに飛びついて、それでいてクラシックなものも好んで聴いていた。と言っても、この頃のアヒーゴも漫画の世界とつながるデカダン-ロックな演劇性からクラシックに部類できると思うけれど。

 マリアが私を呼べば絶対に参加すると言ったらしいけど、本当にそうだった。チリであった「前衛派のフェスティバル」で初演し、それ以降止まることはない。

 ある日アヒーゴが、グループ「クララス・イ・クロコヂロス」(〝クララス〟とは私、マリア、マリアー、そしてアニーニャのことで、〝クロコス〟はマリオ・マンガ、パウロ・ブラーガ、そして発端となったバルナベー自身のこと)唯一のカリオカ(リオっ子)に電話をしてくれて「ジョアナ、リオで短めの期間演奏できるところはどこかないかな? こうアンダーグラウンドな、僕たちの音楽ができる場所をさ。」 私はそんな彼が思い描く場所を知っていると言って、3日間5公演を満杯にしたの! 今でもあの日アウヂオ・ヘベル(Audio Rebel)で公演を見て、魅了されたという人たちに出会う。歴史的な1ページを刻んだ出来事だった。

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