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[2017.06]タンゴダンス世界チャンピオンに聞く〜 今、タンゴ・ダンサーに求められること

文●本田 大典

 日本から見て地球の真裏に存在する国、アルゼンチン。その距離とは裏腹に日本とアルゼンチンの文化的な結びつきは強い。特にアルゼンチンタンゴの音楽は日本人には昔からなじみのある音楽でその歴史は長い。また近年のダンスブームによりタンゴの人気が再燃してきているが、そのブームはブエノスアイレス市主催のタンゴダンス世界選手権の存在なしには語れない。

 さてその世界選手権が開催されるおよそ1ヶ月前、7月1〜2日には東京・渋谷にてタンゴダンスアジア選手権が開催される。今年もアジア各国から多くの出場者が見込まれている。我こそはという腕利きの踊り手達が集うこの選手権だが、出場者が目指すのはアジア選手権タイトル、そしてその後に控える世界選手権のタイトルだ。今回はアジア選手権に先立って、日本人では3人しかいない世界の頂点を極めたチャンピオン達に話を聞いた。まず最初に、日本人で、そして世界で初めてアルゼンチン人以外のサロン部門(現ピスタ部門)チャンピオンとなったヒロシ&キョウコに聞いた。

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—— 今、日本で最も活躍しているタンゴダンサーのお二人になると思いますが、最近もヨーロッパに行っていましたよね? 最近どのような活動をされていますか?

ヒロシ 4月末にイタリアのフェスティバルに、6月の頭にはお隣の国のスロベニアで行われる大規模なフェスティバルに呼ばれています。しかしながら日本アルゼンチンタンゴ連盟の仕事や、自身の教室でも新しい世代の生徒が増えているので以前よりは日本にいるようにバランスを取っています。

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