見出し画像

[2019.08]11月待望の初来日!リオ発 話題のボーカル・ユニット、 オルヂナリウス

文●MAKO

 海と丘に囲まれた自然豊かな港町、リオデジャネイロ。街を歩けば、色鮮やかなストリートアートが目に飛び込み、賑やかな人々の温かい声が溢れる。雄大な自然と活気に満ちた街、リオデジャネイロで2008年に結成された男女6人組のコーラスグループ、オルヂナリウスは、2014年ブラジル全国ボーカルグループコンテストで優勝し、今までに、南米をはじめヨーロッパ(ドイツ、スイス、フランス)、アメリカツアーを経験してきた実力派ボーカルグループだ。

 リーダーでありアレンジと音楽監督を務めるのはアウグスト・オルヂニ。彼の苗字に由来するグループ名「オルヂナリウス」は「オルヂニのアレンジした曲を歌う歌手たち」の意味で、彼らの音楽の特徴は何といっても豊かなリズムが内包されていること。ブラジル・ポルトガル語には母音である5つの音以外に、開口音と閉口音を含んだ9つの母音と鼻母音が存在する。これらの母音と子音が混ざり合い生み出される言葉のリズムがポルトガル語の最大の魅力であり、オルヂナリウスはそのリズムをとても大切にしている。

 彼らは、単にボーカル技術が優れているだけではない。声をまるで楽器のように扱えるそのテクニックで、声の伸び、音色、ダイナミックさを操ることができるからこそ可能になる超ハイセンスなアレンジで、独自のサウンドを堪能させてくれる。ブラジル音楽特有の洗練されたハーモニーの中に、ギター、カヴァキーニョ、ベースといった弦楽器の音を忍ばせ、リズム王国ブラジルの独特な音楽を表現する。しかもそのレパートリーは、ブラジル音楽に留まらず、マイケル・ジャクソンなどのポップ・ミュージックまで、と幅が広い。オルヂナリウスの6声が、エネルギーみなぎる太陽の光が生み出す色鮮やかな光や、海のさざ波のような和らぎを与えてくれる。

 その彼らが11月に日本にやってくる! 夏に仏公演を控え、出発前の練習の日に彼らにインタビューすることができた。

画像1

── メンバーは、6人のボーカリストと一人のパーカッショニストですね?

マイーラ・マルチンス そう。アウグスト・オルヂニ、マイーラ・マルチンス、ファビアーノ・サレッキ、マチアス・コヘア、ベアトリス・コインブラ、アントニア・メデイロス、そしてマテウス・シャヴィエール。今日は4人でのコーラス練習日だったので、パーカショニストのマテウスはいなくて、ベアトリスが風邪を引いてこれなくなってしまっていないの。

ここから先は

4,774字 / 10画像
このマガジンを購読すると、世界の音楽情報誌「ラティーナ」が新たに発信する特集記事や連載記事に全てアクセスできます。「ラティーナ」の過去のアーカイブにもアクセス可能です。現在、2017年から2020年までの3.5年分のアーカイブのアップが完了しています。

「みんな違って、みんないい!」広い世界の多様な音楽を紹介してきた世界の音楽情報誌「ラティーナ」がweb版に生まれ変わります。 あなたの生活…