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[2020.12]【中原仁の「勝手にライナーノーツ」⑤】Adriana Calcanhotto 『Margem, finda a viagem』

文●中原 仁

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Adriana Calcanhotto『Margem, finda a viagem』
───── 中原仁の「勝手にライナーノーツ」─────
近年、日本盤の発売が減少し、日本における洋楽文化の特徴である解説(ライナーノーツ)を通じて、そのアルバムや楽曲や音楽家についての情報を得られる機会がめっきり減った。
また、盤を発売しない、サブスクリプションのみのリリースが増えたことで、音楽と容易に接することが出来る反面、情報の飢えはさらに進んでいる。
ならば、やってしまえ!ということで始める、タイトルどおりの連載。
リンクを通じて実際に音楽を聴き、楽しむ上での参考としていただきたい。


 『Maritmo』(98年)、『Maré』(2008年)、『Margem』(2019年)。20年余を経て完結した、アドリアーナ・カルカニョットの “海三部作”。そのファイナル・ツアー、2019年12月のリオ公演のライヴ盤が出た。
 タイトルの『Margem, finda a viagem』意味は “岸(ふち、へり), 旅の終わり”。本来、2020年の前半に発表の予定だったと想像するが、コロナ禍のステイホーム期間中に作詞作曲から録音まで全て行なった新作『Só』を発表したため、2020年11月の発表となりCDもリリースされた。おそらくDVDも出るだろう。
 まず、“海三部作” を簡単に振り返っていこう。タイトル、発表年に続いて、本作に収録された曲を曲順の番号で併記する。

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