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[2020.05]田中勝則氏が問う 『南米フォルクローレの原風景』

文●佐藤由美 text by YUMI SATO

 本誌の前身・中南米音楽は、1940年(昭和15年)5月発足の中南米音楽研究会=略称SEMI(Sociedad del Estudio de la Música Iberoamericana)を母体に、52年5月5日創刊。往時の若き愛好家たちが敬愛するシンボルであり、レコードコンサートの名解説者として慕われていたのが、大先達・高橋忠雄氏(1911〜81)だ。戦後の48年から20年余にわたりNHKラジオでラテン音楽番組のディスクジョッキーをつとめ、公演の司会や通訳に活躍された音楽評論草分けの一人。

 氏は学生時代にタンゴと出合い、目賀田綱美男爵よりタンゴダンスを学ぶ。アルゼンチンからレコードを取り寄せては演奏家や同好の士と語らい、情報を共有する〝粋な通人〟の鑑だった。36年11月~38年2月にはパリ、ブエノスアイレスへの船旅を決行。帰国後、収穫を日劇レビューの舞台制作に反映させたほか、日本ビクター盤『中南米音楽アルバム』(41年発売)を世に紹介している。

ビクターXXX

 一昨年7月、〝新時代の復刻レーベル〟を標榜するディスコロヒア(配給オフィス・サンビーニャ)が、伝説の彼方に埋もれかけたこのアルバムの追補・改訂版を、詳細な解説付きで、当時のジャケットのまま甦らせた。アルゼンチンのタンゴとフォルクローレ、チリ、ペルー、ボリビア、パラグアイ、メキシコ、キューバにブラジルまで、同時代の注目アーティストと楽曲がずらり居並ぶ歴史的編集盤の濃密さに、眩暈すらおぼえてしまう。

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