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[2019.08]ヘナート・ブラス インタビュー 〜幸福というものを、私は歌を通じて探し続けています〜

文●村上達郎

 8月に日本でのソロコンサートを控えるヘナート・ブラスに、直々にインタビューをする機会を頂いた。彼は、飾らない自然な笑顔で、会った人を自然と朗らかな気持ちにさせるオーラを持った人だ。今回のインタビューでは、ヘナートの人間性に迫ったインタビューにしていきたいと思い質問を用意した。彼の最新作『canto guerreiro・levantados do chão(大地からわきあがる/戦士のうた)』には、ウィリー・ヲゥーパー氏による日本語解説、および詳しいバイオグラフィーが書かれている。そちらも合わせて読んでいただくことで、ヘナートの音楽性と人間性がより深く理解できると思う。

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── あなたの声からは、心の奥から湧き出てくる力、そしてブラジルの広大な景色を我々に見せつけてくれるかのような迫力と繊細さが伝わってきます。表現力に溢れる天性の声であるとも言えると思うのですが、歌を歌う際に、どんなことをオーディエンスに向けて伝えようとしていますか? 歌手として、どのような感情を心に秘めているんでしょうか?

ヘナート・ブラス 私はある種、職人みたいな人間で、歌うことが大好きなんです。別に、自分が有名かどうかとか、お金があるかとか、そういうことはあまり重要ではないんです。舞台に立って歌うのが15人に向けてなのか、15,000人に向けてなのかとか、そういうことに関係なく、楽器を手にして歌うことで、その行為自体に達成感を得られるんです。仕事をしているときは、常に自分の今していること、それから私にインスピレーションを与えてくれる曲の数々を、本当に愛していると実感します。そして時々思うのですが、私たち歌い手が曲を選ぶのではなく、曲そのものが私たちを選ぶのだと思うのです。私は、自分に感銘を与えてくれたものを歌うようにしています。そういった感動を、自分を通じて再び発信していく、ある種の必要性みたいなものを感じるのです。

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