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[2019.12]タンゴ・フォルクローレと 対峙する冬の一夜 青木菜穂子 セレステ・セプテート

文●宇戸裕紀 text by HIRONORI UTO

 アルゼンチンタンゴやフォルクローレのエッセンスを華やかかつ堅実に鍵盤の上に昇華し、世界で活躍を続ける青木菜穂子。最近の主な活動にジョー・パワーズ(ハーモニカ)とのデュオやクアルテート・コンフェイト、トリオ・セレステ、最近ではアルゼンチンより凱旋帰国した奥村友紀(バンドネオン)とのツアーなど息つく間も無く演奏を続けている。その青木菜穂子が北村聡(バンドネオン)、吉田篤(バイオリン)、西谷牧人(チェロ)、大柴拓(ギター)、田中伸司(コントラバス)、SAYACA(ボーカル)という編成でここ数年の集大成とも言える12月4日の永福町ソノリウムでの七重奏(セレステ・セプテート)の公演を前にその聴きどころを語ってもらった。

──気になる曲目を少しだけ教えてください。

青木菜穂子 尊敬するエミリオ・バルカルセ氏の曲やピアソラによる素晴らしい編曲の「Chique」、他にアルフレド・ゴビやガルデル、エラディア・ブラスケス等タンゴを約半分、フォルクローレは古い曲をリリアン・サバさんが現代風に編曲したものをさらにセステート用にリアレンジしたり、同じ作曲家の作品が被らないよう全体のバランスを見つつ自分が惹かれる楽曲の中から選曲しています。オリジナル曲に関してはこの公演用に数曲作りそれを組曲風にできればと思っています。その中の1曲を歌ってもらおうと歌手のSayacaさんに詩をお願いしたところ曲のイメージ通りのとても素晴らしい詩をつけてくれたので、それを元にまた曲を発展させていこうと考えています。

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