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[2017.12]次世代のモダン・フォルクローレ界を担う逸材 SERAARREBOL

文●坂本 悠

 ナディア・ラルチェルは広大なアンデス山脈が連なるアルゼンチン北部のカタマルカ州アンダルガラ出身のボーカリスト、イグナシオことナチョ・ビダルは1981年ブエノスアイレス出身、ボーカル/ギター/作詞作曲を担当している。彼らはナディアの出身地アンダルガラで約10年前に出会い、2013年から「セラアレボル」として活動をはじめる。これまでにアカ・セカ・トリオ、ディエゴ・スキッシ、カルロス・アギーレ、リリアーナ・エレーロ等と共演を重ね、次世代のアルゼンチンのモダン・フォルクローレ界を担う存在として熱い視線を注がれている。そんな注目株の彼らのファーストアルバムがついに発表されたのを機に彼らに話を聞いてみた。

—— どのような幼少期を過ごしたのでしょうか?

ナディア ダニエル・モヤノというラ・リオハ州出身の作家がいるのですが、彼は幼少期こそが唯一の故郷だと述べています。私の子供時代は絶えず遊んで過ごしていました。遊び、鼻歌を歌い、空想をして、また鼻歌を歌う。自分が物語の主人公になったように、人生の楽しみ方を学びました。

ナチョ あらゆるものをよく観察していました。校内の広場で踊ったあの頃のこと、水道をつたって流れる水の音、教室に漂う朝の匂い……こうしたことを今でも覚えています。大人になった私は子どもの時のあの頃とは違う岸にいますが、いま私が作っている作品には幼少期に見た原風景の影響が大きいと言えるでしょう。

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