[2018.12]kotringoアルゼンチンに舞う スピネッタからのLove Letter
文●宇戸裕紀 text by HIRONORI UTO
ルイス・アルベルト・スピネッタのキーボード奏者を務めたクラウディオ・カルドーネからスピネッタの元に、ある日本人ピアニストの音源が届いた。彼女の名はコトリンゴ。80年代から聴き続けて尊敬している坂本龍一から高く評価されているのをクラウディオが知り、スピネッタの元へ届けられたことでこの物語は始まった。
2012年にこの世を離れるまでの数年間、スピネッタは自宅のスタジオでレコーディングが終わると友人たちと一緒にコトリンゴの『SweetNest』や初期作品を必ず聴いていたそうだ。その中にはスピネッタの晩年を共にしたエルナン・ハシントやゴンサロ・アローラス、ハビエル・マロセッティ、マルセロ・トーレス、ゴンサロ・ディアスがいた。サンタフェに住むゴンサロがパラナーの盟友であるセバスティアン・マッキへ、セバスティアンがカルロス・アギーレへとその魅力を伝えていき、コトリンゴの音楽の鎖はじわじわとアルゼンチン全体へとつながっていった。
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