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[2020.04]『衝動 世界で唯一のダンサオーラ』 ─フラメンコに即興の可能性を宿す、ロシオ・モリーナ 異形の人を描いたドキュメンタリー映画─

文●佐藤由美 text by YUMI SATO

 周知のとおり、スペイン語で〝舞踊家〟を指す言葉は、バイラドーラ、バイラドール。フラメンコに特化した踊り手のみをバイラオーラ、バイラオールと呼びならわす。〝ダンサー〟と同義のダンサドーラ(ル)も使われるが、〝ダンサオーラ〟という語は辞書にない。

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https://impulso-film.com/

 ドキュメンタリー映画『衝動』は、2016年初演の演目「カイーダ・デル・シエロ―天から落ちてきて」製作過程をつぶさに、ほぼ作り込みをせずにひたすら坦々と追いながら、21世紀に現れた一人のモンスター級フラメンコダンサーの異能ぶりを伝える。

 パリのシャイヨー国立舞踊劇場での本公演に至る、ロシオ・モリーナが辿った試行錯誤の日々。マルセイユ、バルセロナ、マラガ、マドリード、ヘレス、セビージャ、パリ……オンとオフ、張りつめた孤高の瞬間に仲間・家族と過ごす寛ぎの表情、即興舞台や独白・証言の数々を通し、ようやっと「なぜ、彼女は〝ダンサオーラ〟を自認しているのか?」という疑問への答えが読めてくる。いや、むろん漠然とした理解にとどまってしまうのだが。

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