[2020.02]男と女、男と男、男と人形。 『男と女 人生最良の日々』、『his』そして『ロマンスドール』。 3本の新作映画が示すそれぞれの愛の形。
文●圷 滋夫
『男と女 人生最良の日々』は、カンヌとアカデミー賞を制した不朽の名作『男と女』(66)の主役ジャン=ルイとアンヌを、引き続きジャン=ルイ・トランティニャンとアヌーク・エーメが演じた続編だ。監督はもちろん名匠クロード・ルルーシュ、音楽は鉄壁のコンビで惜しくも本作が遺作となったフランシス・レイ。4人の夢のコラボが、半世紀以上を経て再び奇跡的に実現した。
『男と女 人生最良の日々』
同じ俳優が同じ役を長年演じるシリーズ(20年後を描いた『男と女Ⅱ』もあるが本作では触れられていない)といえば日本ではドラマ「北の国から」があり、イーサン・ホークとジュリー・デルピーの『ビフォア』シリーズも有名で、いずれも独特の味わいがある。観客は作品の中で描かれる世界だけではなく、自分が過ごしてきた長い年月の中で醸成された郷愁とでも言うべき個々の思いを作品に重ね、えも言われぬ感情が滲むようにたちのぼって来るのだ。
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